ポン酢の語源
富士山が「初薄化粧」しました。初冠雪とは認定されなかったのですが、当地方からは山頂をうっすら白くした富士山を仰ぐことができました。いよいよ冬に向けて季節は動き出しましたね。
今日はちょっと暑いくらいでしたが、我が家では先週、とうとうストーブに点火してしまいました。とは言っても、例年は8月の末、火祭りすぎには我が家でも点火の儀が行なわれていましたから、やっぱり温暖化は進んでいるのでしょうか。
食卓にも冬を予感させるものが登場しつつあります。昨夜も鶏鍋が出ました。そんな鍋の季節に大活躍するのが、皆さんもよくご存知の「ポン酢」であります。
あまりに一般化しているポン酢でありますが、はてさて、ポン酢の「ポン」というのはなんなのでしょう。酢は分かるとして、ポンとはなんぞや。
そんなことを思って調べてみたら、意外な事実が分かってきました。
そう、最初の勘では、ポン酢の「ポン」は、ポンカンの「ポン」と同じなのではないかと思っていたのですが、全然違いました。
結論から申しますと、一番古くはインドの古い言葉で「5」を意味する pānch という語に遡ります。なんでも5種類の果実から作られた胃腸薬(ドリンク)だったそうで、それがヨーロッパにもたらされて、オランダ語の「ポンス(pons)」、英語のパンチ(punch)、その他北欧ではプンシュ(Punsch)などとなったようです。それらはどれも、蒸留酒に柑橘類の果汁を混ぜた、いわゆるカクテルです。
パンチと言えば、日本ではまず「赤玉パンチ」ですね。これもいわば果実酒です。そして、フルーツポンチ。フルーツパンチとも言われますが、どちらかというとポンチの方になじみがありますよね。あれも元は、リキュールにフルーツを漬けたものだったようですが、日本ではノンアルコールの方が普及しました。
で、話をポン酢の方に戻しますが、鎖国時代にオランダ船がもらした「ポンス」が日本国内でも普及し、それがいつのまにか、柑橘類に醸造酢を加えた調味料の名称として使われるようになった、「ポンス」の「ス」に「酢」を当てたというのが本当の話のようです。
インドからヨーロッパへ、そして日本へ。言葉も物も旅をして、いろいろ形を変えて、その地の文化となっていったということですね。
ちなみに今私たちが想像する「ポン酢」は、いわゆる「ポン酢しょうゆ」ということになりますね。そして、「味ぽん」は、正式に言えば「味付けポン酢しょうゆ」ということになるでしょう。
ああ、また鍋を食べたくなってきたぞ(笑)。
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