『日本以外全部沈没』 河崎実監督作品
夏休み、娘と見に行った映画「大怪獣モノ」の監督、河崎実さんの作品。
モノもぶっ飛んでましたが、こちらもすごい(笑)。実は私、このたび初めて見ました。DVDを買ったり、借りたりすることもないので(笑)、こちらで拝観いたしました。
言うでもなく、「日本沈没」のパロディであります。原作は筒井康隆。友人でもある小松左京の許可を得て、大ヒットした「日本沈没」を思いっきり茶化しました。それをまた、河崎さんを中心におバカな(褒め言葉)たちが、この映画を作ってしまった。なんと監修は実相寺昭雄。
B級映画としては当然のことながら、まじめな(?)映画ファンからは酷評されましたが、2016年の今見てみると、なかなか面白い。もちろん筒井康隆がすごいとも言えますが。
まず2011年に日本以外の沈没が始まるというのが象徴的。津波でアメリカが沈んだりする。そして、2014年に日本も…。北朝鮮がテロを起こすし、なんとなく未来予想図的な様相を呈しています。
それに、なんと言っても、現代の移民問題を先取りするような感じになっているのがすごい。移民、難民に溢れかえった日本がどうなるのか。日本人はどうなるのか。
そして、ラストシーンはちょっと切ない。地球滅亡の今わの際にようやく人類は和解するのでしょうかね。真理をついているとも言えます。
ところで…私はこの映画の音楽が大好きです。挿入歌の「ニッポン音頭」、これはいい(笑)。そのとおり!
また、エンディング・テーマの、ミドリカワ書房の「遺書」がたまりませんね。切ないですよ。名曲です。
なんか、最後はしんみりと真面目な気持ちになってしまう。パロディはすなわち社会風刺。つまり本当のことを笑いのオブラートに包んで表現してしまう、ある種の残酷さがあるんですね。
シャレになりませんよ、いろいろと。河崎監督GJです。
Amazon 日本以外全部沈没
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