『犬神家の一族(1976)』 市川崑監督作品
家族で鑑賞。大いに盛り上がりました。やっぱりいい作品ですね。
先日一緒に「君の名は。」を観に行った下の娘とは、「やっぱり映画はこれじゃなきゃ」という結論に至りました。まあ、あっちが対照的にひどい作品だったので(苦笑)。
角川映画第一作、私が12歳の時ですね。つまり、プールであれをやったクチです(笑)。鼻に水が入ったっけな。
まあ、まさに感受性豊かな少年にですね、ある種のトラウマを植え付けた作品と言えるでしょうか。スケキヨごっこもしたっけ(笑)。
しかし、考えてみると、もう何十年も観ていなかったので、こうして「同世代」の娘たちと、恐怖やサスペンスを共有できるのは素晴らしいことですし、まさに時代を超える名作だということになるでしょう。
やっぱり「君の名は。」との大きな違いは、人物の描写の浅さ深さでしょう。同列に比較するのは酷ですけれど、やはり脚本、原作の文学性の有無が違いすぎるということでしょう。
同じ市川監督・石坂主演のリメイク版は観ていませんが、あえて観る必要も感じませんね。これで充分。これを超えるのは、いくらご自身でも難しいと想像されます。いや、市川監督が最後の最期にこの作品をリメイクした理由を知るためにも、ちゃんと観なきゃいけませんかね。
やはり、役者陣がすごいのだと思います。娘たちも驚いていました。また、市川監督の斬新な映像センスですね。洋画に押されていた当時、あえて日本映画の伝統の発展形で勝負した感じがします。
いろいろ興味深いシーン、印象に残るシーンがありましたが、あえて私は「箏曲」の演奏シーンに関心しました。三条美紀さんは吹き替えじゃなくて、ちゃんと弾いてますよね。あの曲、難しいですよ。小杉太一郎さんの「双輪」。音は山田節子さんかもしれませんが、当て振りにしても、かなり箏曲の演奏に熟達していないとあれは無理です。
一方、お師匠さんの前で松子(高峰三枝子)が千鳥の手事を弾く、あの重要なシーンは、明らかに当て振りと分かりますね。演奏は山田節子さんですが、はたしてわざと下手に(怪我をしているように)弾いているか…気になります。
とにかく素晴らしい映画ですね。島田陽子さんの美しさ、坂口良子さんの可愛らしさも時代を超えています。
やっぱりこうなったら、2006年リメイク版や、ドラマ版も観てみましょうか。なにしろ、娘たちもハマってしまったので。そう、彼女たちにとっては金田一耕助って、金田一一の「じっちゃん」なわけですから(笑)。
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