キリストの墓&イスキリの墓
お盆ということで、青森は新郷村戸来にあるキリストの墓参りに行ってきました(笑)。
久しぶりのお参りです。もちろん、キリストの墓の隣にある弟イスキリの墓も参拝。
この近くには伝長慶天皇陵墓もあり、まあとにかく何でもありという感じですね。田舎のマウンド(円墳)に適当に伝説を後づけしてしまう、そのバイタリティーたるやすごいものがあると思います。
もちろん私はそれをかなり肯定的にとらえています。なにしろライフワークが、宮下文書、出口王仁三郎、仲小路彰の研究ですから。それぞれかなりの「トンデモ」度です(もちろん、そこに大きな価値を見出しているのであって、と学会などのスタンスとはかなり違います)。
で、そんなある意味妙な視点を持つ私からしますと、このトンデモの代表格、キリストの身代わりに磔刑に処されたという弟のイスキリは、「石切」に間違いないと思われます。
というのは、いつか昔に書きましたけれど、秋田の県南の山奥(仏教が伝来していない所)で生まれ育ったカミさんが、なんでも(ロシア系の顔をした)おじいちゃんから密かに教えられた呪文のようなものがあり、そこに「イシキリ様、イシキリ様」という言葉が出てくるというのです。
本人は文字としては「イシキリ」と意識しているけれど、発音は東北弁らしくほとんど「イスキリ」になっているわけです。
イシキリと言えば「石切」。石切と言えば、東大阪の石切劔箭神社が有名ですよね。ここのご祭神はニギハヤヒです。すなわち物部氏の系統。
秋田の山奥には物部系の伝承がたくさんあります。秋田のパワースポットとして有名な協和町の唐松神社。ここの宮司さんは物部(ものべ)さんです。それから昨年の夏見つけてしまった、羽後町上到米の元唐松神社。昨年の記事に書いたとおり、ここに関わっている白鳥氏は物部系です。
そんなわけで、私が想像するに、秋田や青森の山奥には物部系の落人が多数来ていて、彼らがニギハヤヒ信仰を持ち込んだ。その一つの現れ方が「石切様」。もちろん、実際の石切場における巨石信仰などとも習合したと思われますが、とにかくそういう「イシキリ」信仰があったと。
で、先ほど書いたように、東北弁では「イシキリ」は「イスキリ」となりますので、都会の人(たとえば山根キク)は、それを「イスキリ」と活字化してしまった。それがなんとなく「イエスキリスト」の音韻と似通っていたので、キリスト伝説と結びついてしまった。
ロシアから流れ込んだ実際のキリスト教の影響も皆無とは言えないでしょうけれども、新郷村のキリスト伝説は、おそらくニギハヤヒ信仰の変種だと思われます。そこに仏教、そしてキリスト教が習合しているわけですから、なかなか高度ですね。
お盆にキリストの墓参りとか、ふざけてると思われそうですが、ご存知のとおり、マウンドの向かいには澤口家の普通の仏教式お墓があり、例の、ヘブライ語の盆踊りと言われる「ナニャドヤラ」が踊られるわけでありますからね。
そのへんも含めて、このように面白く語ることもできます。私は嫌いではありませんね。でも、やっぱり物部氏のニギハヤヒ信仰がそのベースにありますよ。
おお、鳥越さんだ(笑)。
さらに現代の物語、伝説、受難ということで言えば、これですね。新郷村もまた、他の青森の自治体のご多分に漏れず、原子燃料サイクル事業の助成金等を受け取っています。六ケ所村があり、さらに火山が近い(十和田なんか超巨大火山ですからね)ということもありますから。
そんな現代の神(?)原子力のおかげで、キリストの墓も大変立派に整備され、観光地としてたくさんの人が訪れるようになったのです。
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