天皇陛下の「お気持ち」表明に関して
まさに「平成の玉音放送」であったと思います。非常に大きな意味のある「お気持ち」表明でした。
だいたい、天皇陛下が「お気持ち」を表明する、それも自らの立場に関することを国民にお話しになるということ自体が異例です。
だからこそ「平成の玉音放送」であると。あれから70年が経ち、録音盤からビデオという形にはなりましたが、陛下自らマイク(カメラ)の前にお座りになり、国民に訴えかけたというその事実の重さを私たちはまず考えなければなりません。
裏側にどんな政治的事情があるのか、あるいは法制上どのような方策があるのかということ以前に、戦後70年以上が経ち、いよいよ私たちが象徴天皇制や平和憲法を通じて、日本の真の未来を考えなければならない時を迎えたのでしょう。
この玉音放送がどんな「お気持ち」を表現したものなのかは、もうすでに多くの方々がそれぞれの立場で述べていますので、ここは私独自の視点や情報を記しておきたいと思います。一部の方々には、不敬ともとられかねない内容にもなろうかと思いますが、どうぞご容赦ください。
まず、陛下の「お気持ち」の中で、特に重視すべきは、昭和天皇崩御の際のような世の中の停滞を避けたいという お気持ちでしょう。
今ちょうどリオ五輪が開催されていますが、4年後の東京オリンピックの前やまさにその時に、もしそのような沈滞、自粛を招くような事態になることは、今上陛下としてはなんとしても避けたいところでしょう。
ある意味、祭祀を重視する天皇という立場からすると、それは当然です。過去の歴史の中でも、民衆の種々の祭が、喪服や物忌のために中止になったことがあります。
つまり、今上陛下は4年後の東京五輪を非常に重視しているということでもあります。
そんな不敬な不吉なことを書くなと言われて当然ですが、しかし、一方で武蔵陵墓地に「平成天皇陵」が完成しつつあるのも事実です。ご存知でない方も多いことでしょう。私は月に一度は武蔵陵墓地を訪れ、大正天皇皇后・昭和天皇皇后の陵にお参りしておりますので、よく分かっています。
火葬をお望みになることを表明されただけでなく、そのご意思に基づいた自らの陵墓をすでに造営せしめているわけです。そのあたりの事情も考慮しなければ、このたびの「お気持ち」の真意をつかむことはできません。
もう一つ、重要なのは、やはり憲法問題です。私にとっては、これほど明確に「摂政」に消極的だとは思いませんでした。そうしますと、7月13日の記事に書いたとおり、「上皇」の地位が問題となってきます。もし「解釈改憲」や「特別法」を許さないなら、陛下のお気持ちを実現するためには憲法改正が必要となってくるのです。
安倍政権が改憲を進めようとしていると危惧し猛反発している方々にとって、これは大変な衝撃です。なぜなら、彼らは基本、現憲法に指一本触れてはいけないという立場だからです。
国民が二分してほとんど前進すらしないこの憲法改正問題に対し、天皇自らがその岩戸を開いてしまう可能性があるわけです。この事実は直視しなければなりません。
来年の5月3日、日本国憲法施行70年を迎えます。昭和や戦後の総決算のためにも、また日本という国の未来のためにも、いよいよ本格的に憲法改正(私は改定と言います)について、我々国民が真剣に取り組むべき時を迎えているのです。
昭和天皇も今上陛下も、現憲法に指一本触れてはいけないなどとは絶対に思っておられません。かと言って、未来の理想を掲げるという意味合いも強い、我が国の(日本という特別な国の)憲法を、現実に合わないからと言って「改正」するのは、これはいけませんし、陛下もお望みでないと思います。
特に、平和憲法については、一部保守派の皆さんには残念な事実ですが、昭和天皇も今上陛下も「守るべき」だとお考えです。
そういう「お気持ち」も含めた上で、我が国の自主独立のために、私たち国民がアメリカの庇護から自立しようとする意識を持つ(分かりやすく言えば親離れする)べき時が訪れているのでしょう(親の方もそろそろ自立しろと言っていますし…笑)。
もう一つ重要なことがあるのですが、それについては、ここに書いて良いか、まだ関係各所に確認をとっていないので、今日は封印しておきます。また時が来ましたら、明らかにしようと思っています。
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