LiuXi工房 16インチ ヴィオラ
今日は甲府のコラニー文化ホールにてヴィオラを演奏。
山梨では有名なヴァイオリン指導者の方から頼まれて、発表会でのオーケストラ演奏のお手伝い。なんと、その方とは30年ぶりくらいにお会いしました。
30年も前にお会いしたのに、その時の、ワタクシの印象があまりにも強烈だったようでして、それで思い出してくれて声をかけてくださったのです。
私は全然覚えていないのですが…なんでも、その時私はヴァイオリンをケースに入れず「裸」で現場まで持って行って演奏したのだとか。それで、それではあんまりなので、帰りにその先生が「風呂敷」を私にくれたそうです。全然覚えてない(笑)。皆さんに私を紹介する時、そんな話をしてくださり、「これぞ究極のソフトケース」と冗談をおっしゃっていました。なるほどたしかに(笑)。
そのほかにも、私の忘れている面白い(恥ずかしい)エピソードを語っておられました。当時からどんだけいい加減なヴァイオリン弾きだったんだ!自分でも驚きました。
そのいい加減さは今でも完全に残っていて、なにしろ今回も現場に行ってみて、違う楽団から送られてきた全然違う曲の楽譜を持ってきたことに気づいたり、いやそれ以前に、リハや本番のことを記した予定表をなくしてスケジュールが全然分かっていなかったりで、皆さん、その30年前のエピソードも「さもありけむ」とお思いになっていたようでした(苦笑)。スミマセン。
それにしても、そのヴァイオリン教室の先生や生徒さんの中に、複数の知り合いや知り合いの知り合いがいたりして、まあ世間は狭いなあと思った次第です。そんなわけで、余計に恥ずかしい思いをしたのでありますが…。
さて、今回はヴィオラの演奏だったわけですが、考えてみると、今純粋なモダンのヴィオラって持っていないんですよ。だいたいそれに気づいたのが数週間前のこと。
普段バロックをやっているので、バロック風に改造した5弦ヴィオラ(こちら)しかないのです。
そうそう、この5弦ヴィオラ、この前の都留音楽祭のルーファスのリサイタルではバロック・ヴァイオリンとして、全体合奏ではバロック・ヴィオラとして演奏しましたが、双方ともにプロの皆さんから「すごくいい音」と絶賛されました。中国製の安物なのですが、確かに非常によく響くし音色もバロック楽器として聴くと倍音がいい具合に多くてなかなか良い。大当たりの楽器でした。
で、今回はですねえ、その楽器をモダンに戻すということも考えたのですが、それも面倒くさいし、今後別の楽団でモダンのヴィオラを弾く機会もあったり、時々やっている語りの伴奏もヴィオラでやるのが一番いいので、思い切って新しい楽器を購入することにしました。
そして手に入れたのがこの中国製の楽器。今日はこの楽器のデビュー戦だったのです。いやはや、これがまた、いい楽器なのです。30年以上の間、いろんなヴィオラを弾いてきましたが、これが一番いいかも。よく鳴るし、弾きやすいし、音程も安定している。
そんな大満足の楽器なんですが、これをどこで買ったかというと…なんと「ヤフオク」です(笑)。
前述の5弦ヴィオラも、知り合いのバイヤーさんを通じてネットで買ったんですが、これも現物を見たり触ったりすることなく、ポチッで購入。
ケース、弓、肩当て、替え弦2セット、調子笛までついて、(値切って)4万2千円でした!やっす…。
ま、考えてみると、生徒たちの楽器も全部こうしてネットで中国製の格安楽器を注文しているんですけどね。しかし、ほんとにハズレがないんですよ。中国恐るべしです。ちょっと調整してやれば、ヘタすると10倍くらいの値段の日本製と同等の音がする。これマジです。
友人の製作家(日本人です)に聞くと、たしかに中国製は脅威だそうです。ただ、なぜ新品でもよく鳴るかというと、ちょっと板が薄めなんだそうです。たしかに少し軽く感じます。
そういう楽器は最初からよく鳴るけれども、経年変化には弱く、30年もするとへたってきて鳴らなくなるのではとのことでした。まあ、30年持てば私にとっては充分すぎます。
ヴァイオリンも「使い捨て」になったと考えれば、ちょっと複雑な気持ちになりますが、私のようなシロウトにとっては、実に助かることですし、なにしろ子どもたちにとってハードルが下がることは、決して悪いことではない。
いや、それ以上に、異常なる日本のヴァイオリン文化(先生が生徒にやったら高い楽器を紹介して儲ける)を崩壊させるには良い外敵と言えるかもしれません。
というわけで、皆さんもぜひネットでヴァイオリンを買ってみてください(なんて言っていいのかな)。ちなみに、私のおススメのお店、お世話になっているお店はバイオリンJPさんです。
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