森進一 『富士山』
ずいぶん前のことになりますが、島津亜矢さんの「富士」を紹介した時に、最後にこんなふうに書きました。
『ところで、ふと思ったんですけど、日本の象徴「富士山」を歌った演歌って、案外ないんじゃないですか。なんでだろう。古事記・日本書紀に富士山が出てこないというのと同じ理由かな(?)』
その後、富士山が世界文化遺産になりまして、少し事情が変わりました。森進一さんがズバリ「富士山」という曲を出したんですよね。
とはいえ、これは「演歌」とは言えませんね。ワルツ歌謡とでも言いましょうか。とてもいい曲です。
作詞作曲は「千の風になって」の新井満さん。新井さんらしく、シンプルな詩、シンプルなメロディーですが、それがなんとも心にしみます。
そしてなんと言っても森進一さんの歌唱が素晴らしいですね。こういうシンプルな曲、それも三拍子のスローテンポな曲は、実は日本人は得意ではない。私はカラオケも歌わない人間ですので、偉そうなことは言えませんけれども、たぶん難しいですよ、素人には。
あらためて森進一さんという稀有なボーカリストの才能に脱帽いたします。世界の音楽シーンの中でも、彼の個性は際立っていると言えましょう。
美空ひばりや初音ミクが超一流であることは、おそらくどの国の人たちにも理解されると思います。では、森進一さんはどうでしょう。もしかすると、半分くらいしか理解できないかもしれない。もしかすると、ビリー・ホリデイと同じ範疇に入るかもしれませんね。
この曲、編曲は千住明さん。シンプルなメロディーに、ちょっとしたスパイス(コード)を与えていい仕事をしています。
この曲は合唱曲にして、生徒たちが歌ってもいいかなと思ったら、すでにこちらそういう試みがされていました。このアルバム、面白そうですね。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- 『東京音頭』を唄った三嶋一聲は20世紀の浦島太郎?(2025.02.12)
- S.L.ヴァイス 『パッサカリア ニ長調』(2025.02.09)
- 藤井風 『若者のすべて』(志村正彦)(2025.02.04)
- ラモー 『優雅なインドの国々より未開人の踊り』(2024.08.12)
- ロベルタ・マメーリ『ラウンドМ〜モンテヴェルディ・ミーツ・ジャズ』(2024.07.23)
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- こども歌舞伎「勧進帳」(2024.06.22)
- 冨田靖子 『グッドバイ夏のうさぎ』 山名兌二 監督作品(2024.06.18)
- 『彼岸花』 小津安二郎 監督作品(2024.06.16)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 全日本プロレス祭 アリーナ立川立飛大会(2024.08.17)
- 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』 武内英樹 監督作品(2024.08.16)
- ラモー 『優雅なインドの国々より未開人の踊り』(2024.08.12)
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 列車走行位置情報(2025.02.08)
- 『東京暗黒街・竹の家』 (サミュエル・フラー監督作品)(2025.02.07)
- うなぎ屋 江戸名代亜門 根津総本店(2025.02.06)
- 『ホットスポット』(バカリズム脚本)(2025.02.05)
- 藤井風 『若者のすべて』(志村正彦)(2025.02.04)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- 『東京音頭』を唄った三嶋一聲は20世紀の浦島太郎?(2025.02.12)
- 映画『226』無料公開中(2025.02.11)
- 『東京暗黒街・竹の家』 (サミュエル・フラー監督作品)(2025.02.07)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』 武内英樹 監督作品(2024.08.16)
コメント