下吉田機神社
今日は七夕。たなばたにちなみまして、今日は棚機姫が祀られている神社を紹介します。
富士吉田市下吉田は(株)富士ファブリックさんのすぐ近くに天神社があります。天神社と言っても、単純に菅原道真公をお祀りする天神様ではなくて、もともとはスサノヲをお祀りしていたようです。すなわち牛頭天王社だったようです。
のちに大山昨命が合祀されたのは、秦氏の関係かもしれませんね。
その証拠と言ってはなんですが、天神社の境内には「機神社(ハタガミサマ)」もあります。祭神は「天棚機姫大神(アメノタナバタヒメオオカミ)」。
近代になって織物産業で隆盛した富士吉田ならではの神社とも言えますし、徐福の子孫が住み着いたという伝説を信じれば、もっと古い歴史を持っているとも言えます。
天棚機姫は「古語拾遺」に出てくる神様です。アマテラスが天岩屋に隠れた時、献上する衣を織ったと言われる神です。 当然のごとく織物の神様として崇められていました。
似た名前の神様としては、棚機津女(タナバタツメ)がいます。そのあたりについては、かつて富士吉田とも絡めていろいろ書きましたので、「たなばた」と「棚機津女(タナバタツヒメ)と富士吉田(明見)」をご覧ください。
ところで、最近のことなんですが、機神社で徳富蘇峰の扁額が見つかりました。「経天緯地」とはなかなかいい言葉ですね。そう、日本の神の世界では「経(たていと)」と「緯(よこいと)」は非常に大切なものです。中島みゆきさんの「糸」も天理教のための曲ですよね。
富士吉田の織物産業の隆盛を象徴するものが、もう一つ境内にあります。機神社の反対側に軍刀利神社があるのですが、その横に「蠶影(こかげ)大神」の石碑が立っています。
「こかげ」信仰は、筑波山の蚕影神社がルーツですが、ここ富士北麓では、赫夜姫(カグヤヒメ)、木花咲耶姫、金色姫などが習合し、大変複雑な…いやシンプルなことになっております。とにかく「蚕」が元気が一番ということです。
お金を運んでくれる神様でしたからね、蚕は。国全体で考えれば、蚕が戦艦や戦車を作った時代だとも言えますよね。
そこに天皇家や、天理教、大本などの民衆宗教も関わってくるからまた面白い。
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