皆「健常者」であり「障害者」である
昨日は「言葉」に幽閉されてしまう不幸について書きましたが、こちらはその対極のお話です。
いかにして「コト」を超越していくのか。昨日最後にそう問いかけました。もちろん私自身に対する問いかけでもあります。
凡夫には非常に難しいその超越を、身をもって実現、実行していらっしゃるのが皇室なんですね。
たしかに皇室の、特に天皇陛下のお言葉は重要です。しかし、考えてみれば、陛下も必要以上には語られない。言葉、特に自らの言葉が非常に強い力を持ってるからです。もちろん「和魂」によって民を安心させることもできる。しかし一方で、ある種の「荒魂」を持って世を動かしてしまう可能性もある。
言霊の恐ろしさを最もよくご存知なのが皇室なのです。
そんなご皇室の中でも、障害者に対する理解というか愛情が最も深かったお一人は、自らを「福祉の現場監督」と称していた「ヒゲの殿下」こと寛仁親王でしょう。
その寛仁親王の至言を紹介したのが上の動画です。高清水有子さんがご紹介くださった文章の一部を、ここにテキストとして残しておきたいと思います。
まさに言葉にとらわれるべきでないことを語っておられます。記憶しておきたいと思います。
…第二は、部門別に障害か健常かをチェックすることの重要性です。
100%の障害者や100%の健常者は、地球上には存在していません。
一人一人が分野ごとに献上な部分を持つと共に、障害の部分をも合わせて持って生きているのが人間社会の現実です。医学的・精神的・社会的・経済的・学問的な面からみて、さらには、運動能力や事務能力が果たして健常であるのか、障害を持っているのかを再考し、51%の健常部分が発見できれば安心すればよく、49%しか見い出せないのなら、即刻リハビリテーションを始めることが必要になります。健常者と障害者という二つの分類方法は、厚生労働行政や医療の分野の言葉で、我々の実生活には馴染みませんので、部門別福祉の考え方をお薦めします。
第三に、「社会福祉」というのは、大上段に振りかぶって考えるものではなく、一人一人の身近な日常生活の中で、簡単な手話や点字を学び、車椅子や松葉杖や白杖のヘルプの方法を覚え、障害を持つ人々と出会った時、特別視することなくごく普通にお付き合いすることです。「可哀想」「同情する」「施してあげる」といった従来の思想を捨てて、「思い遣り」の気持ちだけを持って、「共に生きる」ことを考えることが大切です。
前述したように、一人の例外もなく、我々人間は、皆「健常者」であると同時に、「障害者」でもあるのですから。
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