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2016.07.13

天皇陛下が生前退位のご意向…憲法はどうなる?

Th__20160714_150707 きのニュースが入ってきました。
 天皇陛下が生前退位のご意向…これは非常に大きな問題を投げかけます。
 一部には安倍政権下において、改憲勢力が参議院の3分の2に達したことを受けて、天皇自らがそれを阻むためにこのような発信をしたという意見もあるようですが、ちょっとそれはうがちすぎです。
 もちろん、このブログで何度も書いてきたように、昭和天皇、今上天皇、そして皇太子さまも、基本的に平和憲法擁護派だと思います。なぜなら、憲法9条(の原案)こそ、昭和天皇の発案であると私は信じているからです。
 しかし、今回の生前退位はそういう論議とは別のところで生まれてきたものでしょう。純粋に、ご高齢による公務への影響を憂えてのことに違いありません。
 しかし、ここで意外なところで憲法に関わってくるのは、もし今上が生前退位したとして、その後のお立場がどうなるかということです。
 現行皇室典範も、また憲法でも、天皇の生前退位(譲位)は想定されておらず、歴史上のいわゆる「上皇」という呼称さえも記載がありません。
 そのため、もし生前退位するとなれば、皇室典範のみならず、憲法の改定ということも必要になってくる可能性があります。
 すなわち、もし生前退位がなされ、今上陛下が「上皇(仮)」になった場合、その「上皇(仮)」は、憲法の制約を受けなくなる可能性が出てくるのです。
 ものすごく極端に言えば、「上皇(仮)」は憲法を守らなくてもよくなってしまう。政治的な発言ができるのはもちろんのことです。
 もちろん、法学界では、このような議論がなされてきた経緯もあります。そして、憲法の改定は必要なしとする立場の方々もいます。
 しかし、もし憲法改定が必要となれば、それこそ戦後初めての憲法改定が、なんと今上天皇自らの意志によってなされるという、非常に複雑な事態になりかねません。考え方によっては、このたびのニュース自体が、政治的な発言であると捉えることさえできます。
 こんな次元で申し上げるのははなはだ失礼ですが、はたして、この「ご意向」が、改憲派、護憲派、いずれの追い風になるのか。
 憲法や法律や政治の話は別とすると、私は「定年」と「摂政」で進めるのがいいと思いますが。

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