反知性主義?
ほとぼりもだいぶ冷めてきたので、ちょっと書いておきましょうか。
ほとぼりというのは…内田樹さんが「日本の反知性主義」という本を出して、間接的に…いや、直接的に安倍政権を批判したのをうけて、特に保守派がワーワー騒いだ上に、ななななななんと、今年度の東大入試の第一問の本文が、まさに内田さんの「日本の反知性主義」のクライマックスの部分だったから、また大変な騒ぎになったんですね。
そりゃそうでしょう。東大が入試問題で安倍政権を批判したと捉えて、やっぱりサヨクかよと騒ぐこともできるし、東大が内田樹を出すようになったなんて、それこそ「反知性主義(この場合=バカ)」だと騒ぐこともできるし、内田樹が「反知性主義」の意味を思いっきり間違って使っていると騒ぐこともできる反面、内田さん独特のユーモアというかアイロニーだ、それがわからない奴こそ「反知性主義(バカ)」だという人もいました。
私は仕事上東大の試験の直後にこの問題を読んだわけですが、妙に楽しく、そして納得してしまった。しかし、おそらくは上記の「バカ」とは違った意味で納得してしまったのだと思います。
もちろん、私は知性派でもないし、かと言って反インテリという意味での(本来の意味での?)「反知性派」でもありません。あえて言うなら、無知性派(笑)。
そんな無知性派は、無知性なりの言語で事象をとらえて生きているわけですね。たとえば「モノ」と「コト」。とっても乱暴に個人言語でしゃべってしまうと、内田さんの言う個人的知性は「コト」、集団的知性は「モノ」だと感じている(観じている)わけです。
だから、コトよりモノといつも言っているワタクシとしてはですね、内田さんの言うとおりだと思ったし、コトの権化のような東大を受ける受験生に、こういうモノ重視の文章(すなわちモノ語り)を読ませるのは、やはり痛快であるわけです。
というわけで、皆さんはどう感じるでしょうかね。どのタイプでしょうかね。下のリンクから読んでみてください。
ちなみに本文は本文として、私情や私観を入れずにそのまま受け取り、そこにどう書かれていたか純粋に読み取るのが、入試国語の基本です。そういう意味で、たとえば怒っちゃった人はもう東大には入れませんよ(笑)。あっそうか、そういう意味で「反知性主義」を分別する目的で作られた問題なのかもしれない(笑)。
知性ついでに、今日のチャンネル桜「頑固亭異聞」は面白かった。「戦後を彩った知識人の断末魔」。保守の方々もあんまり品のない言い方をすると、無知性に成り下がってしまいますよ。気をつけましょう。
ま、それにしてもある意味私の前の世代までは、とんでもない時代でしたね。「天皇制ファシズム」…丸山真男かあ。読んだけど、全然面白くなかったなあ。いやいや、なんて言う我等がポスト・モダン世代もまた、私も含めて妙な方向に行ってしまいましたから、まあ、これは男のサガってやつでしょうか。もともと、男はバカ=無知性なのかもしれません。かっこつけてもダメってことですかね(苦笑)。
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