『飛鳥の夢』 (宮城道雄作曲・仲小路彰作詞)
昨日の記事の続きで、高松宮さまと仲小路彰のことを調べておりましたら、(個人的には)衝撃の事実を発見しました。本当にビックリ!
宮城道雄作曲としてよく知られている「飛鳥の夢」の歌詞の作者は、その世界ではずっと「不詳」とされてきましたが、なんと実際は仲小路彰の作でした。
山田流ではありますが、いちおう箏曲をやっていた者として、この曲は何度か聴いたことはありました。比較的よく演奏される大曲ですからね。
しかし、しかし、まさか、まさか仲小路彰の詩(和歌)に宮城道雄が作曲したものだったとは…。
この曲は、聖徳太子1330年記念芸術祭で舞の地歌「ひじりの宮のみ前にありて」として初演されたものです。その芸術祭の主催者は高松宮様でした。のちに「飛鳥の夢」と改題。
ちなみに邦楽・邦舞部門のほかに洋楽・洋舞部門もあり、そちらは原智恵子や團伊玖磨、芥川也寸志らが参画しており、そちらの作品もどんなものであったか、非常に興味があります。
詩(長歌)については、当時「高松宮御撰」としか発表されていませんでしたので、知られないのも当たり前です。
仲小路の高弟であった春日井邦夫さんの「情報と謀略(下)」494ページにある「聖徳太子1330年御忌奉讃歌」の一部が歌詞の記憶と一致して驚いた次第です。
仲小路は同歌を山中湖の早朝の散歩の中で作ったとか。本人による作曲(朗詠)版もあるようです。本人版の楽譜は今も山中湖の山荘にあることでしょう。なんとか手に入れてみたいと思います。
仲小路彰と宮城道雄の交流についても興味のあるところです。仲小路彰による「静物語」というアヅマカブキの音楽は、宮城道雄と原智恵子が担当したとの記録もありますから、互いにかなり深く音楽的につながっていたものと思われます。音楽家(作詞者、作曲者、演奏者、歌手、教育者)としての仲小路彰についての研究もやらねばなりませんね。
いやあ、本当にびっくりしました。おそるべし仲小路彰。
追伸 同芸術祭については、上記「情報と謀略(下)」495ページ以降に詳しい記録がありました。
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