「温故知新」とは
今日は某所にておいしいお蕎麦をいただきながら、昭和の天才仲小路彰に可愛がられた女性と楽しく懇談いたしました。まさに未来学的な明るい話題に終始しました。ありかとうございました。
その前には、たまたま頭山満、松井石根の対支政策についてちょっと勉強していました。やはり、どの時代にもスケールの大きな、すなわち右だ左だ、保守だ革新だといった次元を超えた発想をする人がいるなと感じ入った次第です。
というか、いつも私も言っているように、私たちには両翼が必要なのです。右翼だけでも左翼だけでも未来に向かって飛べない。いわゆる左翼的な(非現実的)理想論も大切ですし、右翼的現実論も大切。
未来的とは理想そのものです。そこへの道程としての現在の現実論がある。仲小路彰の「未来学的思考」とは、まさにそういうことです。
実は私たちは常に近未来学的思考によって行動しています。たとえば、何時の電車に乗るために何時に家を出ようとかですね。あるいは、将来こういう職業に就くためにあの大学に行かねば、そのためにこの教科を撰択して勉強しようとか。そんなのは当たり前です。
しかし、私たちの理想論、未来観は、ついつい個人的なものになりがちです。たとえばなんでも反対現代サヨクの平和論なんか、実は非常に個人的な恐怖とか嫉妬に基づいていることが多いのです。
一方の、過激な(時代錯誤な)保守派の方々は、やはり過去にとらわれすぎてしまっている。昔は良かったもいいのですが、ちょっと発想を変える必要があると感じます。
すなわち、「温故知新」の意味を考えなおすべきだと思うんですね。
私にとっての「温故知新」は、ただ単に「昔のことを学んで新しいことを知る」ではなく、「昔の人がどのような未来像を描いていたかを学んで、現代人である私たちがどのような新しい未来を思い描くかを知る」ことです。
いや、これは私の勝手な解釈ですけれども、たとえば、冒頭に書いた頭山満や松井石根、あるいは私の人生の師匠である仲小路彰や出口王仁三郎が、当時どのような未来を想像、想定していたかを知ることが大切であって、ただ単に歴史の教科書を暗記するがごとく、何年に何があったとか、こういうことをしたからこういう結果になったとかという、その人の人生の時間内における因果関係にとらわれてしまうと、本質的な「温故知新」には到達できないと思うのです。
今私たちが学ぶべきは、まさに過去の偉人、巨人たちが、それほどスケールの大きな「妄想力」を持っていたかではないでしょうか。彼らの残した遺産を眺めるだけでなく、それをその時代に産みだしたその根底にある未来志向のエネルギー自身を読み取るべきです。
そうしてみますと、たとえば、戦前戦中の仲小路彰のある種過激な言説が、戦後の比較的穏やかな「未来学」「グローバリズム」と矛盾せず、自然につながっていることが理解できると思います。
たとえば、西尾幹二さんの次の仲小路彰に関する解説には、私は多少不満を持つわけです。もちろん、西尾さんのことですから、全体を理解した上であえて番組に合わせて部分を語っているのだと思いますが。
近いうちに西尾さんにもお会いしてそのあたりのお話をしてみたいと思っています。
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