阿蘇・宇佐・伊勢…
熊本、大分の地震の被害に遭われた方に、心よりお見舞いを申し上げます。
おとといの記事にも少し書きましたが、今回の地震は中央構造線の西端で発生したものと考えると、今まさに御柱祭が行われている諏訪大社と関係しているとも言えます。
ご存知のとおり、諏訪は中央構造線と糸魚川静岡構造線の交点にあたる特別な場所です。
パワースポットという言葉はあまり好きではありませんが、たしかに中央構造線上には重要な神社仏閣があります。
地震が発生したり、火山が噴火したり、あるいは地殻の圧力によるプラズマ現象が発生したりと、古の日本人にとって、たしかにそこは「神」を感じる場であったのでしょう。
私の専門である日本語学(国語学)的な見地からも面白いことが分かります。
今回地震が相次いでいる熊本の「阿蘇」、そしてその北東に位置し、次第に地震が増えつつある大分の「宇佐」、そこからだいぶ東に構造線をたどりますと、「伊勢」神宮に到達します。
たとえばこの「阿蘇」「宇佐」「伊勢」という地名には共通点があります。「アソ」「ウサ」「イセ」、あるいは「aso」「usa」「ise」と標記すると分かりやすいでしょうか。
そうです。「ア行音」+「サ行音」の2音節で構成されているんですね。違う言い方をすると「母音」+「サ行音」ということになります。これは偶然ではないでしょう。
古代人がこの音の並びに、どのような言霊を感じていたかは判然としませんが、たしかに「母音」は特別な音であるのはもちろん、「サ行音」は「ス」を中心とする特別な子音であるとも言えます。「ス」の重要性についてはお分かりの方はお分かりでしょう。
さらに面白いのは、「母音」+「タ行音」との関係です。たとえば伊勢の東に構造線をたどると、「渥美半島」があります。「アツミ」です。同じ「アツミ」でも、新潟の温海温泉、それから漢字的には「アツミ」である「熱海」も温泉地、すなわち大地の活動が活発なところですね。
ちなみに、古代の日本語では、「サ行音」と「タ行音」の混同が起きていたと想像されます。特に東西の方言においては。江戸っ子でさえ、「おとうさん」が「おとっつぁん」になったり、「まっすぐ」が「まっつぐ」になったりしますからね。
そうしますと、さらに発展させることができます(行き過ぎとも言えますが)。
たとえば、「出雲(イヅモ)」「伊豆(イヅ)」「江戸(えど)」「蝦夷(えぞ)」、あるいは「安曇(アズミ)」、富士山麓の「明見(アスミ)」、「吾妻(アヅマ)」などにもつながってきます。「浅間(アサマ)」もです。
そう、「母音+サ行・ザ行・タ行・ダ行音+マ行音」という3音節のグループも現れてきますね。
我が富士山北麓地方の「明見(アスミ)」には「阿祖山(アソヤマ)太神宮」という神社があります。「アスミ」の語源が、「阿曽海(アソウミ)」という言い伝えもあります。
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