「花まつり」とは
本日はお釈迦様の誕生日(花まつり)。毎年この日に我が校では入学式を行います。
昨年は大変でした(笑)。司会なのに薬物中毒で酩酊(笑)。どういうことかはこちらを御覧ください。
そんなわけで、今年は薬は飲まずにつつがなく司会業を乗り切りました。
さて、寒冷地である富士北麓も、最近では温暖化の影響(おかげ)で、この入学式の日に桜の開花を見ることができるようになりました。
伝統的には、この地では月遅れで花まつりをやっています。その頃、すなわちゴールデンウィーク明けでないと、花が咲かず、花御堂を作れなかったのです。
そんなわけで、最近は逆にですね、月遅れでやりますと花が散ってしまっているので、我が校でも花御堂は造花のものになってしまいました。味気ないといえば味気ない。
ところで、なんでお釈迦様のお誕生日(降誕会・灌仏会)を「花まつり」と称するのか。これにはなかなか面白い歴史があるようです。
歴史と言っても、実はそんなに古い話ではなく、せいぜい遡って明治時代からのこと。
花御堂自体は江戸時代以前から作られており、もちろんそれは、お釈迦様が生まれたルンビニーの風景、気候風土がもとになっています。
しかし、「花まつり」という言葉自体は近代になってからのものなのですね。一説によれば、明治30年代にヨーロッパに留学していた日本人たちが、クリスマスに対抗して(?)彼の地で始めたとも。まじめに「釈迦マス」を企画したのでしょうか。ありえますね。
日本で一般的になったのは大正時代。浅草の蓮窓寺(真宗大谷派)の安藤嶺丸という進歩的な坊さんが、「花さかじいさんお釈迦さま」というキャッチコピーで(笑)、日比谷公園を舞台におおがかりなお祭りをやったのがきっかけだとか。
まあ、あの時代、ある意味で西欧文化に対抗したり、国家神道の動きに対抗したりする必要があったのでしょうね。そうして、仏教が意識化されたというのは、実に面白いことです。
基本、日本での仏教は習合、生活化、無意識化が進んでいましたからね。
戦後、仏教はGHQに神道ほどに敵視されず、というか、けっこううまく立ちまわって(?)、現在に至ります。そして、「花まつり」も地味に、仏教系幼稚園などに受け継がれているというわけです。
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