三一節にちなんで
今日は三一節。1919年の三・一運動からそろそろ百年ですね。
日本統治時代の朝鮮については、日韓両国の評価が大きく異なっていますし、両国内においても様々な意見があるのが現状です。
まあ、それが事実であって、たとえば今いろいろ言われている慰安婦問題なんかも、結局いろいろな捉え方が当時からあったということです。それを無理やり一つの「歴史的事実」としてまとめようとするから対立も起こる。
仲小路彰も未来学原論で言っていましたね。統一は素晴らしいことだが、一方の立場からの統一をしようとするから対立、矛盾が生まれると。
私が、日本統治下の朝鮮の様子を垣間見るのは、この前書いた朝鮮総督であった斎藤実の働きを通じてです。
斎藤実は非常に人道的な統治を行い、朝鮮人からも大変喜ばれ、尊敬されていたと言います。それでも、時々反抗運動が起きています。まさに両面あるんですね。
斎藤実が朝鮮総督になったのは、三・一運動のすぐあとです。
イギリスの植民地研究家であるアレン・アイルランドは、斎藤実の朝鮮統治について次のように述べています。
「1922年の朝鮮においては、反日の過激論者を除けば、斎藤総督に対する世間一般の評価は次のようであった。総督は、公明正大で寛容な施政により朝鮮を統治しようと真摯な思いで生き生きしていた。そして、彼は卓越した改革を成し遂げた。教育の問題においては、実に惜しみなく人々の教養に対する意欲に力を貸し、政治的野心については、無益に独立を望む気持ちを助長するものは如何なるものにも断固反対する一方、熱心に地方自治を促進し、日本人と朝鮮人の関係に友好と協力の精神をしみ込ませようとしていたのである」
なかなか高い評価ですね。斎藤は1927年までの8年間、朝鮮総督を務めます。その後、宇垣一成と山梨半造が総督を務めますが、いろいろ難しい問題が生じ、再び斎藤に白羽の矢が立てられます。1929年から再び3年間にわたって重責を担うことになりました。
そのへんのことを詳しく書いた本がありますので、また読了後に紹介したいと思います。
とにかく、歴史を一面的に捉えないようにしたいですね。日韓両国ともに。
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