二・二六事件と熱海
毎年恒例となった熱海慰安旅行。家族の慰安とともに、ご縁のある方々の慰霊の旅ともなっています。
今年もまた直接のその場には行けませんでしたが、そこを通過する時、思いを致すのが、二・二六事件に関わり、この地で自決した河野壽大尉のことであります。
今年は二・二六事件から80年。昨年から今年にかけて、本当に信じられないようなことに巻き込まれまして、私や家内は必然的にこの事件のことを深く知ることとなりました。それについては、いつか時が来ましたら書きものとして残したいと思います。
その二・二六事件は首都の動乱というイメージがありますが、実は別働隊が湯河原で大きなことを起こしました。
当時、湯河原の光風荘で静養中であった前内大臣の牧野伸顕伯爵を青年将校たちが急襲したのです。その首謀者であった河野壽大尉28歳。
その顛末については、こちらを御覧ください。
亡くなった皆川巡査に右胸を撃たれた河野大尉は、熱海の陸軍衛戍病院で手当てを受けます。そこに大尉の実兄である河野司氏が果物ナイフと剃刀を差し入れします。自決用にということでしょう。
結局、大尉は果物ナイフで切腹をしましたが、なにしろ果物ナイフですからそう簡単に死ねませんでした。16時間後出血多量にて同病院にて死亡。
その時、果物ナイフを差し入れた兄、司さんは、のちに仏門に入り、昨年私も何度かお参りした、渋谷の二・二六事件慰霊像を建立しました。
河野壽大尉は、海に面した場所に坐し、宮城(きゅうじょう)に一礼して切腹をはかったと言います。
そんな熱海の海に月が昇ってきました。
大尉、そして兄の思い、苦悩はいかばかりであったことでしょう。
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