追悼 ニコラウス・アーノンクールさん
古楽界の重鎮…いや、古楽界を軽くはみ出してクラシック界の名指揮者となったニコラウス・アーノンクールさんがお亡くなりになりました。
私がバロック音楽に興味を持ち始めた中学3年の頃聴いた、当時最新盤だったヴィヴァルディの四季には、本当に衝撃を受けましたね。なにしろ、それまではイ・ムジチが標準でしたから。
特に冬の二楽章。これは40年経った今でも充分に新しい(速すぎる)。土砂降りとか言われていましたね(笑)。
それから、ある意味ショックだったのは、このブランデンブルク協奏曲の映像ですね。テレビで初めて観た時、ええ〜!って思いましたよ。
なんでって、アーノンクールがガンバを弾いてるんですが、弓の持ち方が「順手」、すなわちチェロみたいに持っている。なのに、強拍はちゃんとアップになってる(笑)。おいおい、そんなんでいいのかいって。
今になってみれば、楽器や奏法にこだわりすぎて、たとえば日本の古楽界は硬直化してしまったわけで、このいい加減さは、今ではヨーロッパでは(特にイタリアでは)標準ですよね。
いずれにせよ、旧弊を克服し、古くて新しい解釈の方法を我々に提示してくれたアーノンクールは、西洋音楽史に残る名演奏家であり、名指揮者であることは間違いありません。
私の人生を変えた人物の一人であるとも言えます。感謝の気持ちもこめつつ、ご冥福をお祈りいたします。
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