『新幹線大爆破』 (佐藤純弥監督・高倉健主演作品)
昨日の予告編を観たら、本編をどうしても観たくなってしまいました。AmazonPrimeにあったんですね。ラッキー。
いや〜、本当に面白かった。40年前、11歳の自分には分からなかった様々な人間ドラマや映画の技術を楽しむこともできました。
今はなき二人の「健」さん。ほとんど唯一と思われる悪役を演じる高倉健さんと、重厚な日本男児を演じる宇津井健さん。二人の役者としてのコントラストも絶妙、最高でしたね。
40年前のこととは言え、ここまで内容を忘れているとは思いませんでした。ラストの記憶もなかった。当時の自分はいわゆる「鉄道マニア」の一人で、そういう視点で観ていたのでしょうか。まあ、子どもだから仕方ないですね。
唐突な火事のシーンを除くと、脚本もほぼ完璧だと思いました。もちろん、パニックサスペンスものとしての緊張感も最高。ハリウッドものよりもずっと引き締まっている。
今だから語れる撮影秘話はこちら、佐藤純彌監督のインタビューが実に面白い。
半世紀近く前から現代につながる日本の技術力、異様なほどの仕事への執念、その対極にある危険や腐敗も上手に描かれています。
そして、やはり、あの「時代」ですね。私が少年時代に体験していたあの時代感。当時は分かりませんでしたが、学生運動も、高度経済成長にもなんとなく「飽き」が来ていたあの頃。爆弾という形での革命…しかし、実際には世の中も人生も変わらない。
監督自身もおっしゃっているように、誰も幸せにならない。なんとも煮え切らないストーリーと永遠に終わらないラスト。なんとも味わい深いですね。
それにしても高倉健さん、かっこよすぎますね、やっぱり。目玉だけで演技できる不世出の役者さんですね。ラストの死に様はさすが。そして、そのあとの明るい音楽がまたいい。
ついでになりますが、最後に宇津井健さんと千葉真一さんに登場願いましょう(笑)。
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