山梨県は東京?
今日は軽くて重い話。
山梨県民、それも外から来た人間(宇宙人)としては、この山梨の独特の風土、文化は実に興味深い。研究、いや観察の対象として飽きない。
東京の隣の県でありながら、この自然環境、そして江戸時代さながらの生活習慣。
かつては流刑地となるほどの「生黄泉」の国だった甲斐ですが、鎌倉時代以来東の勢力が強くなり、とうとう江戸に国の中心がやってくるに至って、ずいぶんとその地位は変わってきました。
そう、江戸時代、甲州と江戸は実に密接な関係がありましたよね。甲府を中心とする「国中」は言うに及ばず、富士山周辺の「郡内」は、富士講によって独特な江戸との結びつきを持つに至りました。
その時に、江戸の文化が流入してるんですね。それが残っている。
で、そんな微妙な位置関係にある甲州と江戸というか、山梨と東京。今では、高速バスで1時間半ちょっとという便利さもあって、山梨の人は東京に遊びに行くことが多いし、その逆もまたよくある。私もしょっちゅう行き来していますよね。
10年もすればリニアが開通して、なんと15分という恐ろしい「近さ」になります。ますます、山梨は東京になっていくのでしょうか?いやいや…山梨の閉鎖性はそんな軟弱じゃないですよ(笑)。
というわけで、ちょっと面白い地図を紹介します。かつて山梨は「東京府」だった!?
これは明治36年(1903年)に作成された「府県廃置法律案」の地図です。ちょっと見にくいのですが、山梨はちゃんと「東京府」になっています。
全体を見るとなかなかすごいですね。28道府県に分かれています。実際、この案は議会で成立せずお蔵入りになってしまったわけですが、ここのところの道州制論議よりも案外大胆かつ実際的だったりします。
山梨は長野や神奈川に吸収されてもおかしくなかったのですが、たまたま、この年、明治36年に笹子トンネルが開通して、中央線が新宿から甲府、韮崎までつながりました。そういう流れと、甲州財閥の発言力などから、見事「東京入り」が果たされたのだと思います。
もしこの案が通っていたら…「私東京の富士山に住んでます」って感じになっていたんでしょうかね(笑)。
先ほど書いたリニアの件も、実は明治時代の甲州財閥の力の名残りといえば名残りですよ。鉄道王の力が金丸信に受け継がれ、リニア実験線の山梨誘致につながったわけですから。恐るべし甲州人の執念、いや怨念(笑)。
この地図、それぞれの地方でよく見ると実に面白いですね。皆さんの県はどうなっていますか?
宮城県が仙台県になっているのは「宮城(きゅうじょう)」との関係でしょうね。そうそうこの前、カミさんが「宮城事件」を「みやぎじけん」と読んでました(笑)。
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