悩みも煩悩も「屁」みたいなもの
先日、水木しげるさんのお別れの会が行われました。ちょうどその日青山近辺にいたので、時間があったら参列しようかと思ったのですが、駐車場が見つからず断念いたしました。
参列かなった知り合いがもらってきたメッセージカードの言葉が良かったので紹介します。
要は虫とか植物みたいに自然に順応しながら「屁」を出しているのが一番幸せなのかも知れない。時には屁を止めたり、溜めてみては大きな屁をひねってみるというのも面白いだろう。要するにすべては屁のようなものであって、どこで漂っていても大したことはないようである。
なんとも水木さんらしい「悟り」の境地ではないですか。ここ数日個人的にへこむことが続いたのですが、この言葉を思い出して、少しすっきりしました。悩みも「屁」みたいなものだと。
屁なりとて悪なる物と思ふなよぶっと言ふ字は仏なりけり…こう詠んだのは仙厓和尚だったでしょうか。屁も馬鹿にできません。
カネも名誉も地位もプライドも、まあ人間みんなにある屁みたいなものです。悩みなんていうものも、それらが元で生まれる、つまり煩悩があるからこそ悩むわけでして、しかし、それらは屁と同じくなくすわけにはいかない。だからさこそ、水木さんの言うように上手につきあえばいいのかもしれません。
止めてみたり、溜めてみたり、気づかれないように小出しにしてみたり(笑)。そう(笑)に変えてしまったり。
オナラって、なんのためにもなりませんし、他人にとっては迷惑なものですが、自分にとってはなんとも愛おしい、懐かしい臭いじゃないですか。正直皆さん自分のオナラの臭いは嫌いじゃありませんよね(笑)。
上記の煩悩たちも同じようなものです。自分にとっては案外悪くない。しかし、他人にとっては迷惑きわまりない。いくら愛する人のものでも、煩悩やオナラは好きにはなれませんよね。
ああ、なんかすっきりした。こうして自己顕示するのもまた放屁みたいなものでしょうか。それはそれでお互い様。そして、屁の臭いなんか、それこそあっという間に消えますよ。エントロピー増大則のおかげです。拡散、拡散(笑)。
と、そんなふうに思ったら気持ちが楽になりました。ありがとうございます、水木しげるさん。
Amazon 屁のような人生
| 固定リンク
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- アニメ映画『犬王』 (湯浅政明監督作品)(2023.09.17)
- 映画『君たちはどう生きるか』 宮崎 駿 監督作品(2023.08.22)
- アニメ映画 『はだしのゲン』(2023.08.02)
- 『女ともだち』 マイメロママ&王妃様(2023.06.20)
- 『おそ松さん(実写映画版)』英勉監督・Snow Man主演作品(2023.03.08)
「ニュース」カテゴリの記事
- 富士山ラドン濃度急上昇と新島・神津島近海地震(2023.11.16)
- 追悼 大橋純子さん(2023.11.11)
- The Beatles 『Now and Then』(2023.11.02)
- 谷村新司 『群青』(2023.10.26)
- 二度目の天の岩戸開き(2023.10.18)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 『飄々と堂々と 田上明自伝』 田上明 (竹書房)(2023.12.07)
- ナイツ 『野球寿限無』(2023.11.15)
- 『松葉健康法』 高嶋雄三郎(2023.11.06)
- 廣松渉の「世界の共同主観的存在構造」(2023.10.25)
- 『本學ノスゝメ』出版 クラウドファンディング!(2023.10.06)
「心と体」カテゴリの記事
- 不動明王の愛の荒魂(2023.11.28)
- 寝る子は育つ・寝ない大人は横に育つ(柳沢正史先生「睡眠」を語る)(2023.11.08)
- 松葉ジュースを作る(2023.11.07)
- 『松葉健康法』 高嶋雄三郎(2023.11.06)
- 芸術は宗教の母なり(虹と紅葉と)(2023.10.29)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 帰ってきたウルトラマン 『第12話 怪獣シュガロンの復讐』(2023.12.08)
- 冬木透 『夕日に立つウルトラマン』(2023.12.09)
- 『飄々と堂々と 田上明自伝』 田上明 (竹書房)(2023.12.07)
- グレン・グールドの『バッハ フーガの技法』(2023.12.06)
- 『首』 北野武 脚本・監督・編集作品(2023.12.05)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- グレン・グールドの『バッハ フーガの技法』(2023.12.06)
- 『首』 北野武 脚本・監督・編集作品(2023.12.05)
- バッハ『フーガの技法』を見る(2023.12.04)
- 香椎宮にて(2023.12.03)
- 福岡のパワーの源は…(2023.12.01)
コメント