蟹のカノン(バッハ)と回文
あまり知られていませんが、私は短歌をやっています。ちゃんとした結社に入って毎月歌稿を出しています。
どうも最近、以前のように調子よく歌ができず悩んでおります。そこで、ちょっと気分転換に、回文短歌(前から読んでも後ろから読んでも同じ歌)でも作ってみようかなと思ったら…全くできない。そりゃそうだ。
回文自体作ったことないし、できる予感がしないのに、いきなり五七五七七なんてね(笑)。
いや、あるんですよ、有名な回文短歌(和歌)が。
長き夜の 遠の睡りの 皆目醒め 波乗り船の 音の良きかな
むら草に くさの名はもし 具はらは なそしも花の 咲くに咲くらむ
惜しめとも ついにいつもと 行春は 悔ゆともついに いつもとめしを
見事としか言いようがありません。素晴らしすぎですよ。ちゃんと意味通じるし。
回文という文化は世界中にありますが、それはほとんどが英語の「Madam, I'm Adam」のように、文字の回文であって、音の回文ではありません。
日本語は開音節、かつ基本一文字一音という特殊な言語・文字文化を持っているので、音の回文が可能になります。これってすごいことですよ。
これはどちらかというと、バッハの音楽の捧げものにある「蟹のカノン」に近い。というわけで、上の動画をぜひ御覧ください。回文とはちょっと違うけれども、もっと高度なことやってますよね。まさに未来的視点がないとできない。
正確な意味で回文的な音楽というと、ハイドンの交響曲47番の3楽章でしょうか。ま、これも最初と最後だけが回文になっているんですがね。
そう言えば、最近、ネットで評判になった見事な(?)回文がありました。小学校6年生になるという女子の作品(笑)。
イタリアでもホモでありたい
うん、これはなかなかシンプルだけれども深いぞよ(笑)。シンプルさって大事ですよね、こういう遊びは。
世の中には回文作家さんというのがいて、ほんといろいろ頑張ってくれていますが、この少女にはやられましたね。アマチュア、いや子どもの恐ろしさです。
大人な回文については、こちらで楽しめます。まあ、よくやるわ(笑)。日本人ってすごいですね。
皆さんもぜひ作ってみてください。
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