『菊と葵のものがたり』 高松宮妃喜久子 (中公文庫)
この本が届き、あまりの面白さに一気に読み終えたところ、一本の電話が。その後その電話の主とお会いしていろいろお話する中にも、やはり高松宮様のお話が。ここのところのシンクロ具合は、はっきり言って科学的な確率を超えています。まさに量子脳理論の世界ですね。
変な話、霊界は私たちの現界とは時間や空間の構造が違います。かと言って完全に自由ではないようですね。霊界の住人も、現界に来ると私たちと同じように不自由になるどころか、ある場所に縛りつけられてしまうこともあるようです。地縛霊ってそういうことでしょうかね。
それはいいとしまして、とにかく、この本の面白さは尋常ではなかった。数年前の私なら全く興味のわかない本なのかもしれませんが、今の私にとっては、まさに霊界から「今、ここ、私」の意味を教えてくれる良書でした。
なぜ私がこの本をこのタイミングで注文したのかというと、いよいよ「高松宮日記」を読むことにしたからです。その前に、前座と言ってはなんですが、導入としてお妃様の文章を読んでおこうと。
それなりに姿勢を正して読み始めたら、まあ面白いこと、楽しいこと。スピード違反や喜久奴の話など、本気で笑ってしまうエピソードはもちろん、その他にも意外な発見に膝を打つこと数十回という感じでした。
本当に魅力的な女性です。豪胆でお茶目、なのに実に品がある。日本女性はかくあるべきなのでしょう。
また、高松宮さまの、たとえば硫黄島でのエピソードなど、感動の涙を禁じ得ないお話もありました。
そんな中で、ワタクシ的に「分かった」ことは、なるほど、高松宮ご夫妻は「和」「国譲り」の体現者であったのだなあということ。やはりそうかと思いました。
高松宮さまの平和に寄すにもあるように、高松宮さまも聖徳太子の「和」の精神を特別に大切になさっていました。ちょうど来月修学旅行で訪問する中宮寺が、有栖川家と縁が深く、現在のあのモダンな堂宇は喜久子さまのご発案で造られたものだったとは、恥ずかしながら知りませんでした。
そして、喜久子さまのおじい様である徳川慶喜についても、なるほど「国譲り」の発想で考えたことはなかった。
たしかに、近過去に対立した「菊」と「葵」が和した、互いに譲りあったご結婚ですよね。まさに公武合体の完成。
高松宮ご夫妻に「和」「国譲り」を意識させたのは、そう、あの仲小路彰です。仲小路の盟友、キャンティ創設者の川添史郎(浩史)は、高松宮さまの民間ブレーン(光輪閣支配人)でした。
昨日の「録音術」の主、細野晴臣さんと同様、高松宮ご夫妻は、川添さんを介して昭和の天才仲小路彰に大きな影響を受けているわけです。いや、小島威彦さんの本によれば、高松宮さまを通じて昭和天皇もまた仲小路彰の愛読者であったとのこと。まあ、それは事実でしょうね。ほかにも証言者がいますので。
また、有栖川家と喜久子さまの関係を考えますと、あの出口王仁三郎のことも思い浮かべずにはいられません。気づいている方がいるかどうか、王仁三郎の書は明らかに有栖川流の書ですよね。
ところで、高松宮さまに毎月届けられていた仲小路彰の書物は今どこにあるのでしょうか。国立歴史民俗博物館の高松宮家伝来禁裏本目録にはないようなのですが。気になります。
光輪閣や文化建設会は現在しっかり機能していません。いろいろな意味で、有栖川家、高松宮家という、表面上断絶してしまった(国譲りしてしまった)宮家の魂の復活の時が来ているのかもしれません。とすると、秋篠宮家が鍵を握っているということでしょうか。
最後に、高松宮さまのお言葉をここに刻んでおきます。
我々皇族は基本的に国民のみんなが守ってくれている。守られていたからここまできているんで、護衛官を仰々しくつけたり装甲車を張り付けたり、そういう必要は全くない。もしそうしなければ守れないような皇室だったら、もう何百年も前に滅んでいる。
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