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2016.01.04

劇場版『パンドラ ザ・イエロー・モンキー PUNCH DRUNKARD TOUR THE MOVIE』

Th_51zhpmpagnl 開時に観そびれてしまったこの映画。なんとも不思議なタイミングで鑑賞することになりましたなあ。
 申年が幕を開くと同時に、イエモン復活のウワサが突然浮上いたしました。実際のところは分かりませんが、この映画を観ると、ありえないこともないかなと思います。なんで活動停止したのか、なんで解散したのか、よく分からない。それほど2013年のメンバー4人はとても仲がいいし、バンドの雰囲気がしっかり残っている。
 いよいよ時が来たのでしょうか。往年の大ファンとしては当然期待に燃えてしまいます。
 さて、この劇場版パンドラ、公開は2013年夏。その頃、まさかこの映画に出演している重要人物二人と直接会って話すことになろうとは、夢にも思っていませんでした。人生分かりませんね。
 公開から数カ月後、吉井さんとある意味再会を果たすことになりました。憧れ尊敬していた吉井さんが、なんと中学の後輩であることが分かったのもその時です。私が3年の時の1年。そして、その関係は世代を超えて再現された…不思議な不思議な不思議すぎるご縁。ローカルな貸しレコード屋の話とかで盛り上がりました(笑)。
 なんだか怖いくらいなのですが、私の場合、会いたいと思った人が、向こうから来てくれるんですよね。あの人もあの人も…(笑)。
 そのすぐあとでした。これも不思議なルートでした。写真家の有賀幹夫さんと知り合いになって、多くの時間を共有させていただくことになったのです。有賀さんとも音楽を超えたところでつながった。タイミングが絶妙すぎました。
 もちろん、この映画の主人公は吉井和哉。そして、最も重要な証言をしているのが有賀幹夫。これは誰もが否定しないでしょう。そのお二人とつながることができた。
 この映画の舞台となっている1998年から99年。私はちょうど家を建て結婚をした頃でした。そんな人生の転機ということもあり、PUNCH DRUNKARD TOURには行けませんでした。
 ちなみにこの映画でも彼らの転機として紹介されているあの伝説の第1回フジロック・フェスティバル、あの時はまだ独身でした。独身最後の夏。独身で結婚のあてもなかったのに、山の中に家を建てようとしていた時です。実は、あの日、フジロックの音は聴いているのです。そう、あのフェスが開かれたのが鳴沢村の天神山スキー場。
 私の家はそのすぐ近くにあり、風向きによってはその音が漏れ聞こえてくるのです。当時、ようやく家を立てる土地が決まり、あの日の夕方、私はそこにいたのです。
 嵐の中、どのバンドかは分かりませんが、たしかにロックの轟音が聞こえてきました。もちろん、本当は会場に行きたかったのですが、仕事の関係で断念していたのです。
 そんなこんなで、私にとっても、吉井さんはじめイエモンのメンバーやスタッフの皆さんにとっても、まさに転機となった97年〜99年であったのです。
 それから15年の時を経て、そう、15年というのがポイントでしょうかね。あらためて、客観的に過去を振り返ることができる「ひと昔」というのは、もしかすると10年ではなくて15年なのかもしれません。
 ロックと社会、ロックと「大人」の関係はたしかに非常に難しい。ある意味、吉井さんも私も大人にならざるを得ないポイントに立っていたのかもしれません。
 有賀さんがこの映画の中で語っているように、「ロックンロールは夢ばかりじゃない」。そして、若さゆえ、ロックゆえの「無謀な挑戦」。それがたしかに解散の原因になっているのかもしれません。
 しかし、逆に「夢」と「挑戦」があるのが、ロックの素晴らしいところです。そして、世界中のベテランバンドや再結成バンドを見るまでもなく、実はロックには「老い」はなく、夢を追って挑戦をしようと思った時、ロッカーは「若い」のかもしれない。
 そんな時が来たのかもしれませんね。実際、昨春に発表された吉井さんのニュー・アルバム、すっごくイエモンっぽかったもんなあ…。
 申年の元旦に、私もちょうど「夢」への「挑戦」を思い出したところでしたので、なにかとても嬉しい。期待しすぎないように期待したいと思います。


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