理不尽という優しさ?
いよいよ明日からセンター試験です。私も高校3年生の面倒を見ているので、最後のアドバイスなどをいたしました。
今日は中学校の方では体調不良が続出しまして、私もちょっと熱っぽかったり、娘も咳込んだりしておりました。
そう、ここのところ急に寒くなって、いよいよインフルエンザも流行しはじめました。
また、日本海側では大変な大雪になる季節。なんで、こんな過酷かつ不平等が生じやすい季節に大学入試が行われるのでしょう。
これって、真夏の高校野球(甲子園)と同じ「文化」ですよね。完全に理不尽。理屈の上からはもっと気候の穏やかな季節にやればよい。しかし、改善されない。
受験に関しては、秋入学も検討されましたけれども、やはり完全実施にはほど遠い。「なんとなく」ですが、「冬」が入試の季節だという雰囲気があって、なかなかそれが変わらない。
なんでか、皆さんうすうす感づいていることでしょう。
そう、高校野球については、戦争ノスタルジーとしての高校野球という記事に書いたように、それがやはり純粋なスポーツではなく「文化」だからです。欧米人には理解しがたい世界でしょうね。
それと同じように、受験、入試も「文化」なんですよね。厳しい冬を乗り越えて春を迎える(桜が咲く)。そういう演出があるから喜びもあるし、哀しみも物語化される。
甲子園も敗北にこそドラマがあるじゃないですか。あれを快適な季節に(あるいはドーム球場で)リーグ戦でやっても全然感動しない。
西欧的な価値観からするとまさに理不尽ですよね。しかし、日本人としてはなぜか譲れない。
これって、実は「優しさ」でもあるんです。つまり、敗者、失敗者、運の悪い者に対する優しさ。ただの勝敗論だと、それこそ勝ち組と負け組を分けるだけですから、そこには格差、不平等しか残らない。
そう、一見、不平等に見えるこの日本文化のシステムは、そうした格差、不平等を排除する仕組みを内蔵しているのです。
「判官びいき」と言いますよね。こうした心性は、外国にないわけではないけれども、やはり日本に色濃い。面白いと思います。
私も「負けっぷり」を重視するプロレスが好きだったりしますから、典型的な優しい日本人なのでしょう(笑)。面白いですね。
それでも甲子園もその運営ルール上、多少スポーツライクになってきましたし、いずれ入試も世界標準に近づいてくるのかもしれません。それはそれでちょっと寂しかったりして。
というわけで、明日あさってのセンター試験でも、インフルエンザを隠して受験する高校生、浪人生がたくさんいることでしょう(追試は不利になる)。そして、それをみんながもらってきて感染が拡大する。
ん?やっぱり甲子園も受験も最後は体力と気合勝負ってことでしょうか。日本人って保守的ですね。
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