「安」=「女が家の中にいる」
今年の漢字は「安」とのこと。安保や安倍、不安の「安」だそうです。
ちなみにウチのカミさんの旧姓も「安倍」です。ただし「アベ」とは読まないのですが。
で、なんでカミさんの話が出てきたかというと、この「安」という漢字、改めて見てみると分かるとおり、うかんむりの下に女がいますよね。うかんむりというのは家の屋根を表していますから、そう、つまり、この「安」という漢字は、「家の中に女がいる」という意味なんですよ。
つまり、女が嫁いで、ダンナの家に収まっている状況なのです。それが「安らか」ということ。
安倍政権も「女性が輝く社会」というようなことを標榜していますし、私自身も21世紀は女性性の時代などとよく言っております。
しかし、漢字の成り立ちからしますと、どうでしょう、女性が家を飛び出して社会で活躍することは、「安」ではなく、「不安」になってしまいますね(笑)。
いや、(笑)ではなくて、そういう部分もあると思います。古臭い考え方かもしれませんが、たしかに、女は家で家事と育児に専念するのがいいというのも一つの社会のあり方だと思います。実は、私もそのへんは保守的でして、ウチのカミさんのようにやたら外に出たがる(すなわちウチにいたがらない)と、ついついイライラしてしまったり…。
「安」という漢字は、もちろん漢字ですから中国産であります。古代中国の、特に貴族階級では、そうした女が家を守る的なスタイルが良しとされたのでしょう。お金持ち、権力者なら、まあそうでしょうね。
その「安」という漢字は、日本でもすでに万葉集にも「安久(やすく)」という形で現れてきています。
日本語の「やすし」は、ストレスの少ない状態を表す形容詞ですね。平穏、心配がない、簡単、値段が低い等々。
そして、言うまでもなく、ひらがな「あ」は「安」のくずし字から生じました。もともとの「家の中に女がいる」という成り立ちについては、それほど意識されていなかったかもしれまんせが、それでも、日本人にとっては大変古くからなじみのある漢字だということになります。
「女が家にいる方がストレスが少ない」なんて言ったら、現代の女性には怒られちゃうかもしれませんが、そういう知恵が世界に広くあった、そして今もある程度生き続けているということは認めていった方がいいのではないでしょうか。
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