追悼 国本武春さん
クリスマス・イヴ。志村正彦くんの命日。彼の遺した名曲の一つ「Bye Bye」を、中学の弦楽合奏部で演奏していたところにニュースが飛び込んできました。
浪曲師の国本武春さんが亡くなったと。55歳。若き天才はなぜこうも早く天に召されるのでしょう。
国本さんは、私の姉と専門学校の同期でして、ともに演劇を志して切磋琢磨した仲です。
さっそく「信じられない」と姉から連絡が来ました。なんでも2月には同窓会があり、久しぶりに会えると楽しみにしていたとのこと。
姉は、演劇の道に進みつつも、結局普通のOLになってしまいました。国本さんはいろいろ迷いつつも、結局家業である浪曲の道を継ぐことになりました。それぞれ道は違えども、ともに将来を夢見て頑張った者同士ですから、そのショックは計り知れないものがあるでしょう。
姉の話によると、国本さんは、とにかく素晴らしい人格者であったとのこと。いつも明るく誰に対しても優しく接する方だったようです。だからこそ、浪曲界のみならず、子どもたちにも人気であったのだと思います。
姉の記憶では、とにかくバンジョーがとてもお上手で、友人たちとバンドを組んで歌も歌っていたとのこと。そうした芸風の広さが、結果として、浪曲の世界に新風を吹き込み、若い人たちに伝統芸能の素晴らしさを伝えることにつながったのだと思います。
姉にはよく「学校に呼んでよ」と言われており、国本さんも「いつでも!」とおっしゃってくれていたそうで、今思えば、そういう機会を早く作っておけば良かったと残念に思います。
私にとっても、いろいろな意味で一度お会いしたい方のお一人でした。それが永遠に叶わなくなってしまいました。
姉は、「でも、一度会っていたら、もっとショックが大きかったかもね」と言いました。たしかに志村くんとは会って話す機会があったので、哀しみは数倍大きくなりましたね。
私と姉にとっては、クリスマス・イヴは大切な人を失った日となってしまいました。世の中のクリスマスムードとのコントラストもあって、忘れようにも忘れられない日ですね。
ご冥福をお祈りいたします。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 富士山ラドン濃度急上昇と新島・神津島近海地震(2023.11.16)
- 追悼 大橋純子さん(2023.11.11)
- The Beatles 『Now and Then』(2023.11.02)
- 谷村新司 『群青』(2023.10.26)
- 二度目の天の岩戸開き(2023.10.18)
「音楽」カテゴリの記事
- グレン・グールドの『バッハ フーガの技法』(2023.12.06)
- バッハ『フーガの技法』を見る(2023.12.04)
- 福岡のパワーの源は…(2023.12.01)
- 濱田あや 『デュフリのガヴォットとシャコンヌ』(2023.11.30)
- NHK「音楽の広場」タモリとスポーツテーマ曲(2023.11.25)
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 福岡のパワーの源は…(2023.12.01)
- NHK「音楽の広場」タモリとスポーツテーマ曲(2023.11.25)
- Re:Hackshun【目せまゆき&成田山幽輔】安倍さんは、あの解散をどう考える?(チョコレートプラネット チャンネル)(2023.11.21)
- ナイツ傑作漫才集(2023.11.20)
- ナイツ 『野球寿限無』(2023.11.15)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- グレン・グールドの『バッハ フーガの技法』(2023.12.06)
- 『首』 北野武 脚本・監督・編集作品(2023.12.05)
- バッハ『フーガの技法』を見る(2023.12.04)
- 濱田あや 『デュフリのガヴォットとシャコンヌ』(2023.11.30)
- 不動明王の愛の荒魂(2023.11.28)
コメント