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2015.12.13

『野菜の裏側』 河名秀郎 (東洋経済新報社)

野菜の裏側-本当に安全でおいしい野菜の選び方
Th_51o9pnnxll りがたいご縁をいただきました。この本の著者である河名秀郎さんが、我が家に遊びにいらしてくださいました。
 この本を予め読み予想していたとおり、いやそれ以上に素晴らしい方でいらっしゃり、本当に素晴らしいひと時を過ごさせていただきました。
 自然栽培と言えば、木村秋則さんの「奇跡のりんご」が有名ですね。河名さんは木村さんとも一緒に活動されていました。無肥料、無農薬という究極の、しかし実は根源的な農法を復活させんとしている実践家河名さんの言葉は、一つ一つ本当に納得の行くものであり、よくいるフード左翼やら「もどき」やら単なる復古主義者とは全く違う次元で説得力を持っていました。
 野菜や果物を中心とする「食」にとどまらず、「衣」や「住」に至るまで、一つの大きな世界観、歴史観の中でとらえられ、自己の思考にこだわった閉じた理屈ではなく、まさに実践を通じて、謙虚に自然から学ぶというオープンな生き方に大いに共鳴いたしましたし、なにより勉強させていただきました。
 また、おそらくは普段の講演などではお話されないであろう、この地球や宇宙に深淵な部分についても、いろいろと意見交換させていただきました。
 少し表現がワタクシ流に傾きますが、「霊」と「体」のバランスが非常によく取れたお仕事をされているなと感じました。
 話題は農業に関わることが多かったわけですが、それが見事に他の分野の雛型になっていましたね。たとえば、医療、教育、宗教…私が今興味のあるものに見事につながっていた。
 肥料によって自然のバランスが壊れ、それを修復せんとして、虫が集まる。あるいは腐敗菌が活躍する。しかし、それを人間は、農薬や添加物を使って阻止してしまう。 肥料をまくから農薬が必要となる。本当に悪循環です。
 では、肥料をやらなければいいのかというと、もちろんそんな単純なことではなく、土壌の回復も必要ですし、種からして純粋種に戻さなければならない。非常に難しいのですね。
 これは、それこそ、教育や医療、宗教にも同じことが言えそうです。特に自らの仕事である教育については、またまた悩みが増えてしまいました。もちろん、前向きな悩みですが。
 今、私たちは間違いなく大転換に向けての上り坂を登っています。その実感も含めて、ご自身が体験的に見つけ得た真実、真理を、決して他人に押し付けることなく、まさに自然体でやっておられるお姿に、心から感銘を受けました。
 こういう自然体こそが、敵を作らず仲間を増やす結果を生むのではないでしょうか。私も参考にさせていただきます。
 もしかすると、これから一緒に何かできるかもしれません。そんな予感がしました。あまり焦らず、私も自然体でやっていきたいと思います。
 実は私も、自然栽培について興味を持っていたところでした。ただ、私の場合は、農作業がいろいろ面倒なのと、お金がかかることを嫌い、「ほったらかし農法」ができたらいいなという邪念がきっかけでしたからね(笑)。それじゃあダメだということが分かって良かった…。
 農業と教育って、とても似ていると思うのです。手助け、手入れ、見守り、そして祈り。「ほったらかし」じゃダメですよね、なにごとも。
 そして、全く意外なことに、河名さんが富士北麓に深い深いご縁をお持ちの方だと知った時、ああ、なるほど、この出会いは、まさに必然であったのかなと直観させていただきました(私の片思いかもしれませんが)。
 いろいろな気づきをありがとうございました。また、いろいろ教えていただきたいと思います。

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