「石橋(しゃっきょう)」と「絹の道」
NHKのニュースでも紹介されていましたが、本日、都内某所において日中韓の文化交流イベントがあり、私も本当に本当に急遽参加できることになりまして、能楽堂の座敷席より、3国の最高級の芸術、文化、芸能を堪能させていただきました。
日本側の主催は、重要無形文化財保持者の大皷奏者大倉正之助さんです。ワタクシ、昨年畏れ多くも初対面にして共演をさせていただきました(こちら参照)。今日あらためてトンデモナイ方とご一緒させていただいたと思った次第です。
日中韓については、歴史的に各時代において、幸不幸さまざまなことがありましたし、今もまた近い関係だからこそ(近所であり、親戚だからこそ)難しい問題もあります。
だからこそ、こうした文化交流は大切でしょう。特に日本の「和」の精神の表現の場として、すなわち「受容」「融合」を「発信」する場として、これから重要になってくることでしょう。
本日の演目の中で、特に素晴らしかったのは、半能「石橋」です。日本代表の演目という位置づけでしたが、能の中でも特に、半島や大陸の影響を感じさせる演目。先ほど書いた意味でも見事な選択であったと思います。
白紅の連獅子舞。白獅子は野村四郎さん、赤獅子は野村昌司さん。まさに親子獅子。厳かさと軽やかさの対比が素晴らしかった。これほどダイナミックな能は初めてでした。
そして、その舞を招く、囃子の幽玄なこと。まさに「ものまね」。モノを招くのです。
その前に、さらに、招くモノがありました。そう、紅白の牡丹の作り物です。この作り物を作ったのは、私の教え子の能楽師。それを運んだのは、彼女の同僚の能楽師。
終演後、その二人の若手能楽師と飲みに行きました。やはり、「石橋」は特別だと。秘曲であると。そして、野村親子による共演は、さらにスペシャルであると。なるほど納得であります。日本文化はしっかり継承してもらいましょう。
ちなみにウチの下の娘は、その教え子に能を教えてもらっています。どうせなら、石橋を舞えるくらいになるまで、しっかり精進してもらいたいと思います。
最後に日中韓の名人による共演が実現しました。「絹の道」…たしかにそこには、日中韓に収まらない、ほとんど全世界的な和声、リズムが融合されていました。
そう、私の最近のテーマの一つはこの「絹の道」の復活です。あくまでも「絹の道」は象徴にすぎません。いわゆるシルクロードにとどまらず、この世界の「むすび(結び・産霊・掬び)」、すなわち「和」の象徴なのです。
今日の「絹の道」のパフォーマンスには、そんな私の夢、理想が見事に音楽と舞によって表現されていました。
実は、今日は寸前まで会場入りさえできるか分からない状況でした。ただ、「行ってみるべし」との声を信じて車を走らせたのでした。
そして、開演1時間前に電話が入り、ありがたいことにその場に参加させていただくことになりました。ご尽力くださった皆さまに、心から感謝いたします。この奇跡の意味をしっかり受け止めたいと思います。ありがとうございました。
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