追悼 野坂昭如さん
野坂昭如さんが亡くなったとのニュースが。昭和の無頼者がまた一人この世を去りましたね。
私の野坂体験は、まず「おもちゃのチャチャチャ」でしょうか。しかし、それが野坂作品だと知ったのは大人になってから。
ですから、実質的な初野坂昭如はこれでしょうかね。小学校でマネした覚えがあります。変なおじさんだという認識しかありませんでした(笑)。
まあ、その他いろいろありすぎますが、ワタクシ的には、この「事件」が、らしくて好きですね。マイク(凶器)で応戦する大島渚も面白い。てか、祝辞の内容がよく分かりません(笑)。泥酔状態だったようですね。
それから、ある意味子どもにとって今一番有名な野坂作品は「火垂るの墓」でしょう。この、自身をモデルとした作品の本質については、10年以上前にこちらに書きました。あのアニメは全く違うテーマになってしまっていて、あまり好きではありません。
ちなみに野坂さんと出口王仁三郎は間接的にですが、縁があったようです。野良犬会などで野坂さんが世話になっていたかの今東光さんは、王仁三郎を「大怪物」と評する文章を残しています。実際に会ったかどうかはよく分かりませんが、知り合いを通じて身近な存在だったようです。
そんな今東光からのすすめがあったのか、野坂さんは、王仁三郎が霊界物語を口述した鳥取の皆生温泉「海潮園」に泊まりに行っています。小説のアイデアを練ったのだとか。無頼つながりでしょうかね。
こうした、昭和の天才たちの無頼性、ダンディズム、いわばスサノヲの「荒魂」はどこに行ってしまったのでしょうか。小さくまとまった男ばかりの世になってしまいました。
これって、そうした男らしさを許さなくなった女性の側にも問題があるような気がしますし、まあ、それ以前に、世間自体が小さくまとまってしまった(それを正常進化だと言う人もいますが)のが原因でしょうかね。
実は、私はここに「凡人の嫉妬心」が大きく関わっていると思っているんです。平成の大衆意識、世論というものは、嫉妬が生み出したものだと。語弊があるやもしれませんが、やはり「弱者に優しい(易しい)」世の中になっていると思うんです。平穏な分、創造のエネルギーは欠如している…。
まあ、ノスタルジーにのみ執着していてはいけないわけで、では自分が無頼者、狼藉者になれるかというと、自分はそれこそ弱い凡人なので無理なのでした。学校の先生も、実につまらない人ばかりになってしまいましたしね。
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