« 悟り=最後のワンピース | トップページ | 「石橋(しゃっきょう)」と「絹の道」 »

2015.12.04

『阿部一族』 熊谷久虎監督作品 (1938)

 日追悼記事として原節子さんの出演している「指導物語」「白魚」を紹介しました。
 そこに詳しく書きました原節子さんの義兄にあたる映画監督熊谷久虎さん。スメラ学塾の重鎮として、仲小路彰とも昵懇の仲だった方です。
 いろいろ調べると、終戦前後に「九州独立革命」というとんでもないことを計画したこともあるとのこと。そこに原節子も関わっていたというウワサもあります。
 そのへんに関しては、火野葦平の遺作「革命前後」に詳しいとのこと。さっそく古本を購入しましたので読んでみます。いろいろ分かった時点で記事にしたいと思います。
 今日は、ついおとといアップされた、熊谷の代表作「阿部一族」を紹介します。阿部一族はもちろん森鷗外の名作の映画化であります。
 これをご覧になれば、熊谷がいかに実力のある監督さんだったか、よく分かるのではないでしょうか。歴史物(時代劇)を「現代」のエンターテインメント映画とするための熊谷の演出は、その後の黒澤明の諸作品に影響を与えたとも言われています。なるほどですね。
 役者陣もなかなか壮観。前進座総出演というだけのことはあります。若き日の加東大介(当時は市川莚司)もいいですね。
 あっそれから、クレジットにないので確かではありませんが、この映画が、かの円谷英二の特撮デビュー作とのこと。当時、円谷英二は東宝の特殊技術課の課長だったようです。
 その後、戦争映画がはやる頃になると、英二の特殊技術が大活躍することになります。


 

|

« 悟り=最後のワンピース | トップページ | 「石橋(しゃっきょう)」と「絹の道」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

歴史・宗教」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『阿部一族』 熊谷久虎監督作品 (1938):

« 悟り=最後のワンピース | トップページ | 「石橋(しゃっきょう)」と「絹の道」 »