Rudolf Haken(5弦ヴィオラ) によるバッハの無伴奏チェロ組曲
ちょっと時間がないので、またYouTubeネタです。先日、5弦ヴィオラの派生型と言えるアルペジーナを紹介しましたね。
今日見つけた5弦ヴィオラもまた、不対称ボディーを持つ珍楽器であります。いちおう「ヴィオラ・ポンポーザ」ということになっていますね。
そして、Rudolf Hakenのこの演奏もまた、なかなかの「変形」ぶりですね(笑)。かっこいい。
ちょうど今、横山真一郎さんによる「原典」へのアプローチを興味深く読み、その楽譜を使い、5弦ヴィオラで演奏をしてみているところでした。それとはある意味逆のアプローチですね。
そう、私はその両方のアプローチに興味を持っているんです。というか、両極端が好き(笑)。中途半端、すなわち、与えられたものを疑問や想像力(創造力)を挟まず、ただなぞるような態度が好きじゃないんです。
そういう意味で、このRudolf Hakenは、なかなかぶっ飛んでいて良いですね。ほとんどバロックではなくロックになっています。これならバッハも納得というか、笑って許してくれるでしょう。よくやるなあと。
バッハもそうですけれど、歴史上の天才って、今やスタンダードになり、それこそオリジナル主義的解釈をされるような存在になっていますが、その当時としては、かなり過激な(ロックな)存在だったはずです。
そうした天才のエネルギーを時を超えて再現するのは非常に難しい。ただその当時の楽器、演奏様式を再現するようなことは、あくまで入り口であって、その先にある本質的なエネルギーを捉えるのはまた別の仕事です。
そんな意味で、私もずっと関わってきた「古楽」のあり方というのもまたある種の矛盾を含んだものでした。「復興」が結果として生命を奪ってしまうという矛盾。
難しいけれども、面白いですね。
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