『ティク・ナット・ハン マインドフルネスの教え―プラムヴィレッジ来日ツアー2015ドキュメントブック』 (サンガ出版)
フランスで痛ましいテロが起きてしまいました。
座禅などを行う集会の際に、全校生徒に「仏教は戦争を起こしたことがない」という話をしました。それはほとんど史実ですが、たとえばオウム真理教など、仏教から派生した一部のカルトがある意味「心の戦争状態」を作り出してしまったこともまた事実であります。
どの宗教が優れているとか、どの宗教なら安心というようなことは絶対ありませんし、いわゆる「祈り」だけで平和が訪れなどとはつゆも思っておりません。
しかし、仏教、瞑想、祈りといったものが、理想社会実現のための大切なファクターであることは認めます。この前、仏教は未来的な展望が不足しているというような苦言を呈しましたが、実は、それは「空」や「無」といった禅的境地の先にあるものだとも思っています。
そういう意味で、聖徳太子に象徴される日本が仏教を柔軟に需要した理由、あるいは逆に渡来人たちが日本に順化していった理由の中に、その未来的ヒントがあると信じている自分がいます。
今年のゴールデンウィークに、安倍昭恵さんとそんな話をたっぷりしたのが、この本で紹介されている日でした。
そう、最近発刊したこの本に、なぜか私たち夫婦の名前が記されています。仏様と神様のつないでくださったご縁のおかげ様であります。感謝いたします。
このブログでは、「安倍昭恵さん来訪(第七章)」という記事にさりげなく書いた「ティク・ナット・ハンの教えを学ぶ富士山リトリート」。
実はこの一大イベントをめぐって、本当にたくさんの出来事があり、その一つ一つがそれぞれの人、そしてこの国、この地球の未来に大きく関わる大切なことでありました。
その一部始終が記録されているこの本。実行委員には魂の友人もおり、彼女らの目に見えない苦労をこの本で初めて知ることにもなりました。
そして、このイベントの最後、感動の「場」を共有することとなった安倍昭恵さんのインタビューがこの本に載っています。実は、そのインタビューが行われた場(首相公邸)も私たち夫婦は共有させていただきました。
そして、その場が過去に「未来の理想社会を夢見た」人たちの霊を呼び起こし、いろいろその後我々夫婦の身に大変なことを招くことになったのですが…やはり、過去をしっかり精算しないとというか、過去としっかり向き合わないと(それは歴史認識とかいうレベルではなく霊的なレベルでということです)、未来は切り開けないのですね。
そのインタビューで、昭恵さんはいかにも昭恵さんらしく、あのリトリートのあまりに天国的な「場」が、やはり特殊であって、そこが問題であると、遠回しにではありますが指摘しています。
それはまさに昭恵さんと私たち夫婦がいつも話していることであり、個人の心にあるその天国を、どのように政治や経済や宗教や芸術として社会的なものにしていくのかというのが、今後の人類の大きな課題であるわけです。
そういう意味で、仏教もキリスト教もイスラム教もユダヤ教も神道も、みんな壁にぶち当たっている。そして、さらなる進化を迫られている。そう感じます。
奇しくも、ティク・ナット・ハンはフランスを拠点に活動しています。今、彼はどんな憂いを抱き、そして、未来的な展望を持っているのでしょうか。
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