インターネットと Face to Face
某大学の受験対策で教え子といろいろ話していた中で出てきた話題。
現代の世界で問題視されていることとして、インターネットによる人間関係の希薄化がありますね。
まあ実は単純なことでして、要は「浅く広く」になったわけですね。それはそれでメリットとデメリットがあります。
理想は「広く深く」です。そうならないと地球平和なんていう私の夢は実現するはずもありません。
そういう意味で、現在のインターネットの環境、状況というのは、本当に本当に初期的な段階でして、基本的には20年前とそう変わっていないと言ってもいい。
それは、つまり、いまでに広いコミュニケーションが「テキスト」によるものにとどまっているからです。もちろん、このブログもそう。文字情報がほとんど。
すなわち「Face to Face」感が希薄なんですね。
当たり前すぎる話ですが、人間、顔を知っているかいないかで、相手に対する感情や、そこから発する態度が全く変わってしまいます。
そういう意味で、今、ネット上のコミュニケーションに対する不安や拒否感を抱く人もたくさんいますし、いろいろな現代的問題や事件を、そこに起因させる人たちもいます。
しかし、ことはそんなに単純ではありませんし、表層的ではありませんし、「今」的ではありません。
先ほど書いたように、現在のインターネットのあり方というのは、本当に入り口にすぎません。では、どのように進化していくのか。
実際、「Facebook」や「FaceTime」という名称に象徴されるように、ある意味原点回帰、つまり「Face to Face」の方向に動いていくのではないか。
現在の不安や拒否感は、当然それを克服していく力を生みます。それが「Face to Face」への回帰の動きということです。
「Face to Face」と言っても、いろいろなレベルがありますよね。ただの顔見知りから、気のおけない仲まで。あるいは、違った角度から言いますと、静止画から動画、リアルタイム映像から録画まで、とにかくとても広い範囲があります。
しかし、いずれにしても、人間には相手の顔を、その表情や声も含めて、非常に微細にわたって認識し分析する能力があります。それはほとんど本能と言ってよい。言語以前の機能です(ワタクシ流の言い方をしますと、「コトよりモノ」というやつですな)。
すなわち、インターネットがノンバーバル・コミュニケーションの範疇にどのように関わってくるかというのが、今後の大きなポイントになってくると思うのです。
私は、人間の智慧、技術というものを、ある意味信じています。ですから、グローバル・ネットが必ずやそのような方向に進化していくものと、やはり信じています。
「広く深く」なんて、人間の情報処理能力から考えて無理だよとおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。もちろん、たとえばFacebookの友人全てと「肝胆相照らす」仲になれるわけはありません。しかし、もし一度でも実際に会って笑顔で挨拶を交わしたり、あるいはネット上で「テレビ電話」ででもお互いの表情や声色を確認していたら、その後のコミュニケーションの内容は明らかに変わります。
そこを今後どのように実現していくか。そこが智慧と技術の活かしどころですね。どうでしょう、そこは日本の得意分野ではないでしょうか。インターネットについてはアメリカが完全に主導していますけれども、もしかすると日本がエポックメイキングな技術開発をするかもしれません。期待します。
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