『にほんとニッポン-読みとばし日本文化譜』 松岡正剛 (工作舎)
某大学の文学部を受験する生徒に貸しました。日本文化について俯瞰するには非常にいい本ですね。
ちなみに今日貸したこの本、ブヨブヨになってます。というのは、この本は風呂場に常備されているのです。風呂に入りながら、ペラっとめくるのにも最適だということです。
さすが編集工学のプロ。日本通史を見事に編集しています。本としての構成や装丁も含んでの編集ですよ。フォントや文体、レイアウトによって日本の文化が編集されているわけです。
なるほど、これは新しいし、分かりやすい。学校の教科書もこんな感じならね(笑)。
もちろん松岡さんの日本通史編集ということですから、私の「編集」とはちょっと趣味が違う(特に「モノ・コト論」)のはもちろんですが、「ん?これは違うのではないか?」というもの含めて自分の雑駁な思考や経験が編集されていく快感ですね。これはたまりません。
なるほど、(人間が見る)世界は編集によってできている。特に文化というのは、人間の自然に対する編集の歴史ということもできる。
私は「文化=自然のアイデンティティが人間の営みを通じて顕れたもの」と定義していますが、逆の視点に立つと、「文化=人間による自然の編集」ということになるような気もしますね。
まあ、それにしても松岡さん、相変わらずすさまじい知識量、いや編集力ですね。膨大な情報を抽象して、一つの世界、宇宙を構築している。学者さんたちとは明らかに違う脳みその持ち主です。
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