グレート小鹿 vs 宮戸優光 特別トークバトル(UWFスネークピット・ジャパン)
3時間にわたる長編映画を観るような感覚でした。全ての言葉に情景があり、哀愁があり、時代の香りまでがある。
73歳の現役レスラー、そして現役チャンピオンでもある、生けるレジェンドグレート小鹿さん。もちろん、この長編映画の主役は小鹿さんご本人ではありましたが、彼を取り巻く、あまりにも個性的な脇役陣(もちろん実際のプロレス界では主役脇役の立場は逆だったわけですが)の魅力的なこと。
極貧の少年時代から相撲時代、力道山最後の弟子としての日本プロレス時代、全日本プロレス時代、そして大日本プロレス。さらに社会貢献のためのNPO法人の立ち上げ。
本当に魅力的なエピソードばかりだったのですが、それらに共通していたのは、「縁」と「恩」だと感じました。小鹿さん自身も「偶然」という言葉を何度も使っておられましたが、本当にドラマだったらあまりに出来すぎな偶然が現実にはたくさん起きていました。
それはおそらく小鹿さんに私欲がなかったからでしょう。ある意味天に任せているところがある。そして、常に人のため世のためが優先している。
もちろん、成り上がってやる、あいつには負けないという心はありました。しかし、その根本にあるのは、少年時代の「両親に楽をさせてやりたい」という気持ちだったような気がします。
それにしても、レスラーのトークショーでここまで「社会貢献」という言葉が繰り返されるのは珍しいでしょう。本当に心から「故郷のため」「祖国のため」ということを考えていらっしゃる。つまり「報恩」の精神をお持ちなんですよね。
世話になった人に恩返ししたい。直接だけでなく、間接的にもお世話になった人…と考えていくと、結局全ての人がその対象となっていく。さ
これは完全に悟りの境地です。そして、それを実際に行動で示す。これは悟りのもう一つ上の次元です。本当に美しい「長編映画」でした。
そういえば、こういうお話もありました。力道山が亡くなった時、もう日本のプロレスはダメだと誰もが思ったそうです。それはそうですよね。その時、立ち上がったのが、なんとあの児玉誉士夫だというのです。児玉は全国のヤクザに声をかけ、各地で興行ができるようにしたそうです。
もし全国のヤクザさんたちの協力がなければ、アメリカのプロモーターに持って行かれたことでしょう。なんか、象徴的な出来事ですね。
そうしますと、こちらで紹介した昭和39年8月の興行は、児玉誉士夫から声をかけられた富士吉田の吉田川一家の親分田辺多美司がプロモートしたということでしょうか。
今日はゆっくりお話しできませんでしたが、私は小鹿さんに頼みたいことがあります。近いうちにぜひもう一度お会いして、その話をさせていただきたいと思います。
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