E.S.T. ライヴ in ブルクハウゼン
返す返すも惜しい人を亡くしたなあ。天才ピアニスト、エスビョルン・スヴェンソンは44歳の若さで2008年突然この世を去りました。スキューバダイビング中の事故。まさに油の乗ったところだったのですが。
いかにもスウェーデンのジャズらしい、クールで知的な演奏が、私好みでもありました。
このライヴは2004年、ドイツの伝統あるブルクハウゼンのジャズ・フェスティバルにおけるもの。
しっかり構築された、美意識の高い演奏ですね。キース・ジャレットのそれ以上にヨーロッパ近代音楽の香りがする。いわゆるクラシックの伝統の系譜上にあります。ゲルマン的と言ってもいい。日本人は、こうした「ブラックではない」ジャズを好みますね。
複雑な構成、変拍子…プログレッシブ・ジャズであるとも言えますでしょうか。
私個人的には、このトリオ、ピアノ以上にベースが気になります。ダン・ベルグルンド。彼のボウイングは美しい。そこもクラシック的です。一方で、エフェクトをかけたりして、新しい世界への挑戦をいろいろやってますね。
スヴェンソン亡き後、ベルグルンドはどうしているかというと、よりロック寄りの路線を歩んでいるように見えます。彼はディープ・パープルが好きなんですね。
これはこれで実にかっこいいではないですか。ウッド・ベースだからこそできるロックというものもあるのですね。
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