諜報員ポール・ラッシュ
清里におります。昨日、登山の帰り道で生徒がデジカメを拾いまして、清里駅前の駐在所にそれを届けました。
駐在所のおまわりさんといろいろ話をしておりましたら、外で音楽が流れ始めました。午後3時になりまして、駐在所のすぐ横にあるポール・ラッシュのからくり人形が動き出したようです。
さっそく外に出て写真を撮りました。人の良さそうなおじさんという感じですね。
もちろんそのからくり人形のポール・ラッシュおじさんは、「清里の父」「アメリカン・フットボールの父」としてのポール・ラッシュです。
たしかに、清里開拓やフットボールの普及におけるポール・ラッシュの功績は多大であります。
しかし、一方で、GHQの宣教師として、さらには、G2やCISにおける諜報員として非常に優れた才能を発揮した人物であると言えます。かのゾルゲ事件にも深く関わりましたし、また、東京裁判における戦犯の調査に関して重要な仕事をしたと言われています。
実は私はそのあたりのことに詳しくない(勉強不足です)ので、偉そうなことは書けません。何冊か読まなくてはいけない本があるのですが、手を付けていません。
しかし、なんとなく私のイメージとしては基本は純粋な親日家であったのでは。諜報員という言い方だと、なんとなく日本人をだまして情報を得ていた悪人のような印象になってしまいますが、関東大震災の復興業務で来日してから、日本人のために尽くしてきたことも事実であり、彼は諜報という仕事が、日本人たちの未来のためになるものであると信じていたに違いありません。
昭和の終わりごろに、清里にブームが訪れ、多くのカップルが彼の拓いた村を訪れた時、ポール・ラッシュ自身はどのような気持ちだったのでしょうか。欧米化は進んだけれども、キリスト教的精神は全く根付かなかったわけですし。
そして、再び静かになった清里。きっと今も日本人の未来を憂えながら私たちの姿を見つめているのでしょう。
Amazon ゾルゲ事件: 覆された神話
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