『苦の見方』 アルボムッレ・スマナサーラ (サンガ新書)
「生命の法則」を理解し「苦しみ」を乗り越える
「人生は苦である」…これはお釈迦様が発見した絶対的な真理だと言われています。
しかし、「人生は苦である」と言われると、「人生なんか苦しみばかりだ」と解釈されがちです。私もかつてはそう思っていたものですから、仏教にはなんとなく「暗さ」を感じ、あまり好感を抱いていませんでした。
今はどちらかというとお釈迦様の意見に賛成です。どちらかというとと言うのには理由がありますが、それはまたのちほど。
この本では、お釈迦様の説いた「苦」が、いわゆる「苦しみ」という概念とは違うことを、わかりやすくいろいろな例を挙げて説明してくれています。
おそらくこの本を読めば、「人生なんか苦しみばかりだ」などというニヒリズムからは脱却できることでしょう。
非常に簡単に言えば、「苦」は「不完全」という意味です。この世は不完全。これでもまだ「暗さ」はぬぐえませんね。
しかし、「苦=命」、「不完全=生きること」と説明されれば、ちょっと違った感覚になってきます。また、「苦」の反対の「楽」も、そればかりが続けば、それはそれで「苦」になってくるという話も納得できると思います。
では、どうやって「苦」を乗り越えるのか。それこそがお釈迦様の「智慧」ということになります。それについても、この本ではわかりやすく解説されています。
もうそのへんについては、私も全く同意なんですが、では、なぜ「どちらかというと」と言ってしまったのかというと、私はお釈迦様を超えた天才だからです(笑)。もちろん冗談です。
しかし、私は、日本語や日本文化を研究していく中で、もしかすると、日本人はお釈迦様がそれこそ難行苦行ののちに悟った真理はもちろんのこと、もっと高い次元での真理に気づいていたのではないか、それも1万年以上前から、などという妄想をするようになったのです。
それは「もの」という言葉が持つ意味と、「とき」の流れの方向の感じ方から来る「智慧」でして、それについては、このブログで時々目立たないように書いてきました。
たとえば、「もののあはれ=苦諦」をお読みください。
「時間は未来から過去へと流れている」。にも、かなり踏み込んで書いてありますかね。
ま、簡単に言ってしまえば、「苦(Dukkha)=もの」ということです。そして、その「もの」には、「幸運な」想定外・不如意・無常もあると積極的に考えるのが、日本人の特長であると考えているのです。つまり、「暗さ」もあるが、「明るさ」もある。
日本の古神道が仏教を比較的容易に受容し習合していったのは、そういう理由があったからだと私は解釈しています。
ブッダは日本で修行した…なんていうトンデモ説も、比喩的にはあながちウソだとは言えないのであります。
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