タルティーニのラルゴ・アンダンテ
今日はとても忙しい一日でした。不思議な目に見えないご縁に動かされ、いろいろ大切なことを学ばせていただきました。本当にありがとうございます。
そんな一日の最後に聴いた美しい音楽を紹介したいと思います。
タルティーニのヴァイオリン協奏曲イ長調D96の2楽章です。この曲はちょっと謎があります。もともと、このヴァイオリン協奏曲の2楽章は短調の美しい楽章でしたが、のちにタルティーニが有名な詩人、劇作家だったピエトロ・メタスタージオの詩にインスパイアされて、新たにホ長調の緩徐楽章を書いたようです。
メタスタージオは当時大変な売れっ子。彼の詩はヴィヴァルディやヘンデル、バッハに至るまで、本当に多くの作曲家によって旋律を付けられています。
このなんとも美しいラルゴ・アンダンテには、冒頭に「私の苦い涙よ。 流れよ、川や泉のごとく。 私の深い痛みが和らぐまで」との記述があるようですが、それがメタスタージオのなんの作品の一部なのか、勉強不足で私には分かりません。
いずれにせよ、天才詩人と天才作曲家の間に、それこそ霊的なレベルでの交流があって、この美しい(長調ですが、これはおそらく哀しみの表現なのでしょう)旋律が生まれたのだと思います。
最近では、コンサートのアンコールとして演奏されることも多いようです。上に紹介した動画は、クロアチアの古楽器団体のもののようです。繰り返しにおける即興もなかなかセンスがいいですね。
ちなみに、この楽章ではトゥッティのヴィオラはお休みとなっています。それもちょっと不思議な感じですね。
もしかして、他の作品からの転用かな、あるいは歌曲として作られたのかななどとも想像されますが、資料がないのでよく分かりません。
バロック名曲集などでネットでもよく聴くキアラッパの演奏もなかなかです。全楽章も一度聴いてみてください。
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