もう一つの唐松神社 (羽後町上到米)
大仙市協和の唐松神社は、最近ではパワースポットとして大変有名になっていますね。
地元秋田では古くから安産祈願の神社として人気で、つい先日も義弟夫婦がお参りしたとのこと。
私たちマニアックな人々にとっては(笑)、物部氏にまつわる独特な伝説を持っている神社、また唯一のニギハヤヒ像(二次元)を持つ神社として強烈な存在感を持っています。
私も毎年秋田に来た時には足を伸ばして参拝しており、今年は自在屋のご主人さまに神主の物部さんをご紹介いただいたり(お忙しくてご挨拶のみでしたが)、またまた深く関わることになってきたわけであります。
今日はまた個人的大発見がありましたので、ここに記しておきます。
実は、先ほど登場した義弟のお嫁さんの出身は羽後町の上到米という地域です。ウチのカミさんの実家の近くでもありますし、昨日紹介した「鎌鼬の里〜田代」の隣町です。ちょっと調べ物をしていましたら、なんとその上到米に唐松という部落があり、そこに唐松神社という神社があるというではありませんか。
たまたま同じ名前なのかなと思いきや、なななんと、地域の伝承によればその唐松神社は、協和町境の唐松神社の本社であると!
これには本当に驚きました。これまたあまりにピンポイントすぎる…思わず鳥肌が立ちました。そして、これはすぐにでも行かねば!と思い、探しに行ってきました。
上到米の唐松という地域は分かりましたが、神社自体がどこにあるのかはなかなか分かりませんでした。地図で見ると山の中なんですよね。
いろいろな鳥居をくぐって歩いてみて、ようやく見つけました。長い長い山道の参道が続きます。コンクリートで階段も作ってあり、草刈りなどもしっかりしてあって、信仰の強さを感じました。
ちょっとした登山を終えたところに、集落を見下ろす形で立派な社殿が建っていました。集落の規模からするとかなり立派だと言えます。
創建や祭神などの解説板などはありませんが、ネット上の秋田県神社庁の説明では次のようになっています。
鎮座地…〒012-1242 雄勝郡羽後町上到米字上ノ山7-4
祭神…宇迦能御魂神・息長足姫命
例祭…7月21日
社記によれば、仙北郡境庄唐松神社の本社と伝えられている。
天正年中より白鳥丹後十郎崇敬すと伝う。
白鳥氏の古跡がある。
なるほど!白鳥氏ですか。ここでピンと来ましたね。
たしかにこの地域では白鳥十郎長久の館跡と言われる遺構が発見されています。白鳥十郎と言えば今ではそば屋さんが有名ですね(笑)。長久はたしかに出羽国にも影響力を持っていたようですが、正直この山の中の寒村(失礼)に館を設ける必要があったどうか微妙です。
よくあるように、白鳥氏の末裔や縁戚が住んでいたのを、有名な十郎に仮託してしまったのかもしれませんね。
まあ、いずれにせよ、白鳥氏が関わっていることは確かなようです。白鳥氏と言えばこちらで紹介した谷川健一さんの「白鳥伝説」にもあるように、物部氏、ニギハヤヒとも深く関わっています。
ちなみに上到米にはあまりいないようですが、その周辺地域は「安倍」や「阿部」がたくさん住んでいます。私の家内は「安倍」。ただし「あべ」とは読まないのですが(!)。
物部と安倍の関係、そこに見え隠れするニギハヤヒの存在…そして唐松神社。なんとも面白い予感がします。
そうそう、ウチのカミさんの「イスキリ(石切)」信仰もここでつながってきますね(これについては後日書きます)。
おそらく有名な方の唐松神社でも、こちら「本家」の唐松神社の存在を知らないのではないでしょうか。もちろん、有名な方に参拝する方々も。
義弟夫婦もまさに「灯台下暗し」、協和の方にはお参りしたけれども、地元の唐松神社には行ったことがないとのこと。たしかにマニアックすぎますね(笑)。
こんなことに偶然気づかされるのもまた、私のお役目の一つなのかもしれません。さっそくいろいろ調べてみたいと思います。
ちなみに、上到米の唐松神社の社殿は鳥海山の方を向いていました。協和町の唐松神社に伝わる物部文書によれば、鳥海山はニギハヤヒが降臨した山です。
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