平和ボケから覚醒すべきか
この季節はやはりこの話題が多くなりますね。70年前の今日はソ連が参戦ですか。
よく考えてみると、いや単純に考えると、安倍総理も大変な季節に安保法案の勝負に出ましたね。
これだけ日本国民全員が70年前の戦争について想像力をたくましくする時期にモロにぶつけてきた。これがたとえば戦後71年の冬だったら、これほどの物議を醸すことはなかったでしょう。
つまり、安倍さんはそういうことも想定済みであり、いや無意識の中ででしょうかね、国民の平和ボケに火をつける役割を果たしているとも言えます。
この平和ボケは重層的構造を持っていますので、話は単純ではありません。戦後の平和ボケでさえも、左右両方のパターンがある上に、これは誰も指摘しませんが、日本には数千年、いや1万年以上続く非常に強力かつ無意識的な平和ボケというのがあるのです。
そちらの平和ボケを「平和ボケ」と言っていいのかどうかは問題がありますが、まあ、実際のところ平和が無意識化しているので、あえて今日はその表現を取りましょう。
実は戦後の平和ボケも、あるいはこのたびの安保の論議の特徴にしても、この根本的な平和ボケの上にあるということを忘れてはいけません。
この時期になると保守の方々から戦後の日本人はGHQのWGIPによって骨抜きにされた的な主張がなされますが、私は実は全く逆な視点を持っています。これを言うといつも怒られるますけれど(笑)、それこそ自虐史観だと思うのです。そんな日本人って、日本文化って弱いものなのですかと。
昨日私も「武士道」という言葉を使い、それを良しとしていながら、ちょっと矛盾してしまいますが、その武士道なるものも、日本の数万年の歴史の中で言えば、つい最近生まれたものであって、実は表層的な(ある意味対外的な)近代文化にすぎないとも言えてしまうのです。
縄文時代、ほとんど争いをした形跡が残っていないという事実、ある時期に大陸半島方面から弥生系の渡来人がたくさん来た際、多くが戦わず融和していったという事実。
(これまた怒られちゃうでしょうけれども)今の状況で言えば、中国が日本本土にガンガン侵出して来たとして、戦うのではなく受け入れてしまい融合していってしまうわけです。それでも日本は中国にならなかった。それどころか日本的なる日本が強化されていってしまったという歴史をもっとちゃんと見るべきでしょう。
そうしてみると、今「お花畑」などと揶揄される左翼的理想論的感情的平和主義、すなわち「戦後の平和ボケ」と言われる状況から、私たちは覚醒すべきなのか、よく考えてみるべきだということに気づくでしょう。
はたして安倍総理の果敢なる挑戦と挑発が、日本という国の歴史の中でどのような意味を持つのか、これからの政局に注目ですね。「日本を取り戻す」と言う時の「日本」が、もしかすると、私がさっき言ったような近代的な、すわなち表層的な「日本」である可能性もあるわけですから。
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