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2015.08.11

『キャンティ物語』 野地秩嘉 (幻冬舎文庫)

Th_41qfnmg9el_sx327_bo1204203200_ 日紹介した高松宮さまもこの本の主人公のお一人です。
 三島由紀夫、安部公房、黒沢明、岡本太郎、小沢征爾、篠山紀信、加賀まりこ、かまやつひろし、ビートたけし、坂本龍一、村上龍、松任谷由実…昭和の文化を創り出してきた彼らが集った「サロン」としてのレストラン「キャンティ」。
 その創設者が高松宮さまの特別秘書であった川添浩史と妻の梶子です。
 川添浩史(紫郎)の前妻は以前紹介した天才ピアニスト原智恵子です。そして、彼の裏のブレーンだったのが仲小路彰。この本にも数回仲小路彰の名前が出てきます。
 戦前、戦中、戦後と、裏と表からこの日本を動かし、創ってきたこの不思議な人脈に、私は妙に興味があります。
 そして、そのエネルギーはこの平成の世にもまだ生き残っている、いや、ある意味そのエネルギーが再び必要とされる時が来ているように感じてしかたがありません。
 そうそう先日横浜のシルク博物館を訪れて初めて知った、高松宮妃の「シルクロード・ソサエティー」のことも、この本に記されていました。
 そして、いずれもがなんとなく富士山に関わっているところに不思議な運命を感じます。
 それにしても、この時代の、この「サロン」の空気には、本当に憧れますね。私もギリギリ少年時代にこういう空気を吸っていたわけですが、さすがにその意味や価値を理解しているはずもなく、今思うともう少し早く生まれたかったような気さえするのでした。
 川添自身もそうですが、やはりスケールが大きい男がたくさんいた。聖俗の距離も今より近くて、両者が混在、融合していたような気もします。
 ふと思ったんですが、定年後にでもサロンのオーナーになってみようかなと。誰も来ないか(笑)。いや、富士山にそういうところを作ってみたいような気もします。
 私はキャンティに行ったことがありません。山中湖にある姉妹店のキャンティ・コモにも行ったことがありません。そういうオシャレなお店が似合わない男…そう、まずは自分がサロンが似合う人間にならなくてはいせませんね(苦笑)。

Amazon キャンティ物語

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