ルーファス・ミュラー テノール・リサイタル
今年の都留音楽祭の海外講師はテノールのルーファス・ミュラーさん。
今日はその特別リサイタルがありました。
いやぁ、本当に「神」コンサートでした!すごい。素晴らしい。まるで霊界での出来事のようでした。これほど現実を忘れさせる音楽というのは珍しい。空間自体が神がかっていました。時間は存在しない感覚。
前回3年前の時にもこんなふうに書いていますが、正直、今回の方がさらに数ランク上の演奏だったと思います。
実は前回の時は体調が万全ではなかったようなのですね。それであのレベルですから、その時はその時で充分に感動したわけですが、今回を体験してしまうと、その記憶はやや霞んでしまいましたね。
技術はもちろん、そう、魂の部分ですね、すごかったのは。歌魂。完全にミューズとつながっていました。特に静寂の中の弱音。こちらも耳を澄ますという感覚。
ダウランド、ブロウ、パーセル、ザロモン、ハイドン、モーツァルト、そしてアンコールのシューベルトまで、200年にわたるヨーロッパ音楽の歴史を俯瞰できるようなプログラム。
ルーファスの歌唱の多様性から「歌」の歴史をも追体験できたような気もします。
音楽的な複雑化に表れているであろう、200年間の人間の意識や文化の変化、これははたして進化なのだろうか…昨日のカリッシミでも感じたことです。
音楽理論的には、この200年間の基本的な素材とルールは変わっていないわけで、その中での発見が積み重なって「複雑化」になったわけですよね。発見が進化なのかどうかは議論の余地があります。もちろん、そのことは音楽に限らす、歴史全般に言えるわけですが。
さあ、そんなルーファスの歌声を、本当に表面的ではありますが体験していただくために、次の動画を貼っておきます。今日の私たちの体験を予感(?)することはできると思います。
実は、前回も今回も、彼の奇跡の歌声を生んだのには、裏側である方の「見立て」と「施術」があったからです。その現場を見た私は、本当に感動しましたし、ルーファス自身もその方に大感謝しておりました。
その方については、また日を改めて紹介させていただきます。
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