野村四郎が舞う〜能とバロックの邂逅
都留音楽祭の東洋古楽コンサート。能楽界の大家、野村四郎師を招聘して「能とバロックの邂逅」という舞台が実現しました。
本当に素晴らしい舞台でした。私としても非常に感激的なものとなりました。私の不躾なお願い(お手紙を書きました)をご快諾くださった野村四郎師に心から感謝いたします。
このたびの演目は、舞囃子「菊慈童」。畏れ多くもワタクシめが冒頭の解説をさせていただきました。私なりに能とバロックの相似点、そして鑑賞のコツをお伝えしたつもりです。
本当に素晴らしい、素晴らしすぎる舞台でした。野村四郎師の舞は、どうしてあのように空間をコントロールできてしまうのでしょうか。
美少年のことほぎの舞。80歳とは思えない瑞々しさ。神の領域ですね。まさに「ものまね=物を招く」世界です。
また、今回地謡で参加した渡辺瑞子先生は、私が担任した教え子であるとともに、スタッフとして、また合唱コースの受講者として都留音楽祭に参加したことがきっかけで、野村四郎先生門下に入り、東京芸大を卒業して、プロの能楽師になった人物です。
都留音楽祭に参加し、まさにこのステージでバロック音楽を歌っていた彼女が、今度は能楽師として都留音楽祭に帰ってきたわけで、それは実に感慨深いものがありました。都留市出身でもある彼女は、故郷に錦を飾ったとも言えますね。
さらに、私の下の娘は現在能楽部に所属し、渡辺先生にご指導いただいています。終演後、野村四郎師と握手をした娘は、感激のあまり号泣しておりました。
そう、野村先生は2007年に北とぴあ国際音楽祭において、モンテヴェルディのオルフェーオを演出し、自ら主演されているんですね。そんなところにもバロックとのご縁があったわけで、今回の公演の実現は、そういう意味でも偶然ではなかったのだと感じます。まさに「邂逅」ですね。
野村先生、渡辺先生はじめ、おいでくださった能楽師の皆さま、本当にありがとうございました。
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