カリッシミ オラトリオ「イェフテ」
古楽の祭典「都留音楽祭」、今年の全体アンサンブルはカリッシミの「イェフテ」全曲。
以前、一度耳にしているはずなのですが、今回はなぜかとても新鮮に感じられました。ある意味非常に現代的な響き。
指揮者である有村祐輔音楽監督に、50年前(!)の日本初演の時のパンフレットを見せてもらいました。半世紀前にこの曲を日本で演奏していたとは。
当時は音楽ファンと言うよりも、バロック期の文学や絵画、あるいは建築の研究家などが聴きにきたとのこと。面白いですね。
かのフランスの作曲家シャルパンティエは、このイタリア人作曲家カリッシミの音楽(おそらくこの曲)に感動して、画家になるのをやめて作曲家になったというような伝説があるようですね。たしかに、衝撃を受けるでしょう。
先ほど「現代的」と書いたのは、非近代的という意味でもあります。和声の展開などが、私たち現代人にとって新鮮、つまり聞き慣れていないということです。
スコアを見ながらレッスンを見ていましたが、後期バロック以降の音楽に浸ってきた私からすると、かなり衝撃的な和声展開がありました。それが実にドラマチックに感じられた。
ちょっとした発見でもありました。現代音楽のような突拍子もないことをしなくても、こんなに新鮮で衝撃的な表現ができるのだと。
皆さんも上の動画で鑑賞してみてください。
この曲、50年前にはたして理解されたのか。気になります。ちなみに当時の演奏家で、私が名前を知っていたのは、有村先生とチェンバロの山田貢さんだけ。あとは解説の服部幸三さんかな。
戦前に続いての、第二次古楽ブームのはしりの時代ですね。
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