第37回富士吉田梅若薪能
実は久しぶりの鑑賞。6年ぶりです(こちらの記事参照)。これだけ間が空いたのにはいろいろ事情がありました。
その間、不思議なご縁で日・ASEANサミットにおいて梅若さんには大変お世話になりました。
ここ富士吉田の絹織物と能との関係(そこには京都が深く関わってくるのですが)については、こちらをお読み下さい。
ま、そんなこんなご縁もあった上に、中1の娘が突然「能楽師になる!」とか言い出して能楽部に入部しちゃいまして、このたびも薪能をお手伝いするとのことなので、これはいよいよ行かねばということになりました。
で、その娘に「一番安い2500円のチケットを2枚買ってきて」と頼んだところ、なぜか7000円のSSのチケットを1枚買って来ました(笑)。それも、自分のお小遣いから2000円出して!w
お使いとしては最悪ですが、自分でもなんでそうなったのかよく分からないということなので、これは運命、神の思し召しだなと思い、あたがたくSS席で鑑賞いたしました。
今日の番組。
放下僧
茶壺
杜若
一言、全て素晴らしかった(お客様の一部、大学生とおぼしき一団と私の後ろの地元のおばちゃんたちのマナーの悪さを除いて)。
能って、自分のコンディションというか、こちらの「器」の純粋さが問われますね。
そう、世阿弥の言う「ものまね」というのは、「物を招く」という意味であり、演者はもちろん、鑑賞者もまた「モノ」を受け入れる、フィルターのかかっていない器になる必要があるのです。
たとえば、単純な例で言いますと、今日の放下僧の、あの最後の仇討ちのシーンにおいて、敵役は途中降壇して笠のみが舞台に残されますよね。つまり、殺害シーンは笠に象徴されるわけです。
それをどのようにリアリズムに落としこむかは、これは演ずる者と観る者との共同作業になるわけですよね(プロレスに似ている)。
このたびの杜若の舞いや作り物にもそういう象徴性がふんだんに見て取れました。
というわけで、今日私も上手に器になれたようでして、いろいろ直観を得ることができました。明日からそれをしっかり現実に活かしていこうと思っています。
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