『-国づくり神話の地・出雲- 恵みと脅威のマネジメント思想』 桑子敏雄
以前紹介したサイエンスウィンドウ(Science Window)に、東京工業大学の桑子敏雄先生が面白い記事を執筆しているので紹介します。
記事はネット上で全て読むことができます。こちらです。
現場に赴き、空間を把握し、地形的変遷と人為的変遷を解読し、その上で住民の未来を考えるという、桑子先生の「ふるさと見分け」。この素晴らしい考え方と技術には、ある種の直観、直感も組み込まれているなと感じますね。
そして、これこそ物語的あるいは神話的な認知という、本来私たち人間が得意としていた能力の一つであると思います。
手前味噌になりますが、私はそれが今でも得意です。すなわち前近代的なんでしょうね。古代人なのかも。
そう、よく言われるようにですね、私たちが自らの近代化の中で失ってしまったモノってたくさんありますよね。そのようなモノは、コト化を基本とする科学の世界ではほとんど無視されてきたわけです。
しかし、こうして社会理工学の学者さんが、斐伊川がヤマタノオロチそのものだったとか、それを退治する、すなわち治水コントロールすることの象徴がスサノヲであったとか、そのように語ってくれて、また、実際にその実感に基いて活動し、皆さんのコンセンサスを得ているというのは、ワタクシ的にも非常にうれしいことであります。
ここ富士山麓も、富士山という大変な恵みと災害をもらたす「神」が鎮座していますから、当然それに対する感謝と畏怖の歴史が刻み込まれています。それは出雲や東北と同様に、神社という形で残っていたり、伝説や昔話として残っていたり、いろいろです。
私はそれらを俯瞰的に見て、(勝手な)物語を発見するのが得意です(笑)。とても桑子先生のようにアカデミックな活動はできませんが。
一度、桑子先生に富士北麓においでいただき、いろいろ「見分け」てもらいたいですね。
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