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2015.07.04

他者との出会いに埋め尽くされる時間

Th_img_8326 日はとにかくたくさんの人々にお会いしました。年に数回しかないかなあ、これほど自分一人で思考、行動する時間がない日は。
 それが功を奏すのです。簡単なことです。自然と自我を離れることができるからです。
 午前中は中学のPTA主催奉仕活動。生徒と保護者と教員で地域の清掃です。1、2年生集団は「いつもの丘」忠霊塔へ。あんまりゴミがなくて、結局恒例の缶蹴りが始まってしまいました(笑)。
 忠霊塔(新倉浅間公園)と言えば志村正彦くんを思い出しますが、今日はそこで彼にもゆかりの深い方とマニアックなお話をする機会もありました。
Th_img_8324 3年生は明見の田んぼへ。自然と人の関わり、里山のお話を聞きながら、こちらも最後はどろんこ遊びに。
 親御さんもそんな子どもたちの様子を嬉しそうに見ていました。某新聞社の方もいらっしており、今度はもっと派手にやりますからぜひ取材に来てくださいと申し上げました。
 泥が教えてくれることは本当にたくさんあります。
Th_img_8327 午後はすぐに本校ジャズバンド主催の「富士山の森ジャズフェスタ」に。今回記念すべき10回目を迎える同フェスタ。ゲストがエリック・ミヤシロさん、内堀勝さん(および内堀さんのビッグバンド)、そして関東最強の学生バンドが集結という超贅沢なジャズ・ライヴです。ウチの娘もベーシストとして参戦…というか、エリックさんと競演してスラップ決めてる娘を見て、この野郎うらやましいぞ!と思いました(笑)。
 フェスタの内容、感想については、また書きます…いや、結局毎回同じになっちゃうですよね。こういうことです。大学生にはホントいろいろ言いたくなってしまう。今日の内堀さんとエリックの講評は完全に私の感想と一致していました。
 音楽を物語としてとらえ、全員が同じシーンを思い描いているか。その音、そのシーンがどこに向かっているか。セッションの中で、どう自分が変わっていくか。あと「間」。
Th_img_8332 ただ、上手に、達者に弾けばいいというものではない。だったら、少なくとも中高生のように、「楽しさ」「純粋さ」を共有したいが、大人になるとそれが難しいわけですね。自分も大学時代、完全にそういう陥穽にはまっていたので、よく分かります。
 大学生にはいい薬になるでしょうね。そして苦しんでもらいましょう(笑)。あの「音楽に支配されていた自分」はどこに行ってしまったのか。
 そんな中、某プロレス団体から電話が来たり、某哲学関係者からメールが入ったり、某政治家の方と偶然密談ができたり、BUMPのライヴのお誘いがあったり…まあ、不思議なもので、自分の時間がなく頭が自分モードでない時にかぎって、普段進まなかったことが進むものです。
 やはり自我がなくなっているからでしょうね。自分が空っぽになった方が他者が入り込みやすい。当たり前と言えば当たり前ですし、いわゆる禅の境地でもある。
 音楽でもそういうことってあると思います。大学生になると(自分も含めてですが)頭でっかちになってしまう。つまり、「自分の音楽」で頭がいっぱいになってしまうんだと思うんです。
 そこには本来のアンサンブル、セッションの力、すなわち「むすび(結び・産び)」のエネルギーが存在しにくくなってしまう。そういうことでしょう。
Th__20150705_123022 そういう意味で、ジャズフェスタのあと飛んでいった、しらいみちよさんのライヴ(こちら)は本当に素晴らしかった。しらいさんの歌はもちろん、そうそうたるメンバーによる演奏も、まさに大学生に足りないものが全てあるという感じでした。おかげて、こちらもすっかりリラックスできました。心も身体も癒されました。
 音楽と言葉の関係についても考えさせられましたね。エリックさんが講評で、楽器も原曲の歌詞を意識して演奏すべきというお話をしていましたが、本当にそうだと思います(私も全然できてませんが)。
 …と、私も頭で考えて言語化ばかりしていて、結局今日のように、皆さんのおかげ様でそういう境地になるしかない…というわけで、やはり忙しくて自分の時間がない、すなわち時間が他者によって埋め尽くされるのが一番ということでしょう。
 これから死ぬまで、とにかく忙しい、自分の想定外の忙しさに見舞われる日々であることを祈ります。

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