テレマンのアリア
今日はテレマンの忌日。明和四年の今日、亡くなりました(笑)。
テレマンの謎の名曲というと、実はいろいろあります。以前紹介した「マルコ受難曲序曲」はその一つ。
あのアルビノーニのアダージョと同じく、現代的な編曲と演奏によってほとんど別の曲になってしまっている。
その偽マルコ序曲と同じく、クルト・レーデルによる編曲と演奏によって「名曲」となってしまったのが、今日紹介する「アリア」です。
ま、原曲もいい曲ではありますが、なんというか大仰に感動的になっちゃってるんですね。ロマン的というか。
原曲はほとんど聴く機会のないクリスマス・マニフィカト「Meine Seele erhebt den Herrn」のテノールのアリア「Der Hungrigen fullet er」です。私はナクソスでオリジナルの古楽器演奏を聴きましたが、全然印象が違いますね。マルコの時と同じことが起きています。
こういう「ロマンチック・バロック?」の名曲になりうる素材を実に地味なところから探してくることに関して、クルト・レーデルというのはものすごい能力を発揮しますね(笑)。
しまいには、こんな演奏まで。
今日命日のテレマンもきっとあの世で苦笑していることでしょう。いや、テレマンのことだから喜んでいるかも。というか、あまりに多作で、自分が作った曲を忘れてしまっていたらしいので、素直にレーデルの曲だと思って感動しているかも(笑)。
ちなみに私のオススメする本当のテレマンの名アリアはこちらです。葬送カンタータ「Du aber Daniel, gehe hin」のソプラノアリア「Brecht, ihr muden Augenlieder」です。
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